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お月見 今年ほど、自然の力の凄まじさをまざまざと見せつけられる年はそう滅多にあるものじゃありませんね。 冬の豪雪に始まり、死者・行方不明者数が2万人に及ぶ3月11日の東日本大震災。その傷がまったく癒えないうちの先日の台風12号。紀伊半島を中心とした2400mmを超す想像を絶する豪雨などで死者・行方不明者数は6日現在で100人を超えました。自然の圧倒的な力の前に、「なせばなる」などといった人間の思い上がった言葉などは木っ端微塵です。 そんな心を塞ぐ重いニュースの中、ふと気づけば、窓の外では虫たちが涼やかな声でいまこの時を謳歌しています。心地よい冷気を含んだ風が夏の暑さに痛めつけられた身体に少しずつ活力を取り戻してくれます。この優しさもまた自然の力なのですねぇ。 さて、旧暦の8月15日は仲秋(ちゅうしゅう)の名月。今年は9月12日です。万感の思いを込めてお月見をすることにしましょう。 というわけで、今回の富田通信はお月見について書いてみます。 十五夜 月を愛でるという風習は縄文時代よりすでに有ったということですが、旧暦8月15日すなわち仲秋の名月を観賞するという風習は中国より伝わりました。平安時代の貴族たちは月を見ながら歌を詠み、宴を開いたようです。それがやがて武士や町民に広まっていき、十五夜にはすすきを飾り、月見団子や里芋、枝豆、栗などと共に御神酒を供え、酒宴を開きました。 ちなみに仲秋というのは8月のことで、昔は旧暦の7月、8月、9月をそれぞれ初秋、仲秋、晩秋と呼んでいました。 また、農村では農耕行事と結びついて収穫祭の意味合いも持っていました。仲秋の名月は「芋名月」とも呼ばれますが、これは里芋などの芋類の収穫祭であったことによるものです。 このようにして庶民の間で年中行事として長く伝わってきました。 十三夜 十五夜すなわち、8月15日の仲秋の名月を観賞するという風習が中国から伝わってきたのに対し、旧暦の9月13日(今年は10月9日)の月を観賞する風習は日本独自のもののようです。 十五夜の「仲秋の名月」に対して十三夜は「後(のち)の月」ともいわれます。十五夜同様、十三夜にもお供え物をして祝いますが、こちらはその頃旬の大豆や栗が主役でした。そのため、十三夜は「豆名月」や「栗名月」とも呼ばれます。 また、十五夜の月見をして十三夜の月見をしないのは「片見月」といって縁起が悪いとされ、十五夜の月見をした後は必ず十三夜の月見をして祝うものとされていました。江戸時代の遊里ではこれを逆手にとって、有力な客を十五夜に誘って二度目の通いを確実にさせるという風習がありました。 その他の月見 待ちに待った十五夜が曇りや雨で月見ができないことも多々あるため、昔の人は十五夜後にもお月見をして名月を惜しみました。 十五夜の次の月を「十六夜(いざよい)」、その次の月が「立待ち月」、その次の月が「居待ち月」、さらにその次を「寝待ち月」といって月見をしたようです。 それぞれの名の由来は以下のようです。 「十六夜」 いざよいは「いざよう」からきた言葉で、ためらう・遅れるとい う意味から、満月より月の出が遅く月がためらっているように見えるため。 「立待ち月」 月が立って待っていられるうちに出ることから。 「居待ち月」 月の出がだんだん遅くなり、座って待つから。 「寝待ち月」 もう座って待つのも疲れ果て、寝て待つから。 月待ち 上記のお月見とは別に日本には月待ちという風習があったようです。これは、十三夜・十五夜・十七夜・二十三夜・二十六夜などの特定の晩に集まって(多くは女性のみの講という場合が多かった)食べ物などをお供えして月が出るのを待ち、月を拝んで飲食を共にするという月を祭る行事でした。 月待ちの「待ち」は、月の出を待つという意味に解釈されがちですが、本来は月を祭るという意味だったようです。 二十三夜待ちまでの地域が多数を占めましたが、中には二十六夜待ちまで行なう地域もあり、月光に阿弥陀仏・観音・勢至の三尊が現れるという口実をもうけて月が昇る(深夜2時頃)まで遊興に耽ったようです。 この風習は西洋文明が流入した明治に入ると急速に廃れていったようです。西洋流の道徳が日本古来のおおらかな性を駆逐していったのでしょう。 |
『東光』特別頒布会 |
頒布期間 平成23年10月より平成24年1月まで4回 会 費 吟醸酒コース 各月 3150円(毎回720ml×2種類) 内容(10月:大吟醸・純米吟醸ひやおろし 11月:純米吟醸 ・吟醸酒 12月:大吟醸・純米吟醸 1月:しぼりたて純米 吟醸生酒・大吟醸) 特別酒コース 各月 3990円(毎回1.8L×2種類) 内容(10月:純米酒・特別本醸造ひやおろし 11月:純米酒 ・からくち吟醸酒 12月:純米酒・特別本醸造燗酒 1月: うすにごり純米生酒・本醸造うまくち) 申込締切 平成23年9月末日 ※発送の場合は別に送料が掛かりますのでご了承ください。 |
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○8月24、25、26日に行なわれた新庄まつり。その山車コンテストで去年は我が町内の「風流 真田十勇士」が見事に物語部門の最優秀賞に選ばれ、市の歴史センターに一年間展示されたのですが、今年は何ともう一方の部門である歌舞伎部門の最優秀賞山車にまたまた我が町内の「風流 ヤマトタケル」が選ばれました。二年連続、さらには二部門制覇の快挙に若連一同大いに盛り上がりました。 |
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