第286号(2011.7.10)
職人名語録
 6月21日、東北地方も梅雨入りしました。去年より7日、平年より9日遅い梅雨入りだそうです。7月2日には裏庭のアヤメが去年より一週間ほど遅く咲き始めました。しっとりと雨に打たれながら咲く風情に、しばし時間も忘れ見入ってしまいます。
 あの震災からもう4カ月も経とうとしているのに、心にオリのようなものが沈んでしまっていて、なかなか文章が書けません。というか、ネタを探す気力が沸き上がってこないのです。
 でもまあ、これは震災のせいではなく、ただ単なる私の怠け癖のせいかもしれません。
 そこで今回の富田通信はそんな自分に活を入れるためにも、永六輔さんの『職人』(岩波新書)より、職人さんたちの素敵な言葉をご紹介しましょう。


「オレは何かするときに必ず自分の体に調子を聞くよ」

「〈私もいっぱしの大工になりました〉って威張っている職人がいたけど、〈いっぱし〉というのは〈いちばんはしっこ〉ということなんだよね。
威張っていう台詞(せりふ)じゃない」

「上手は下手の見本なり、
下手は上手の見本なり」

「ウチナーの人間は、その日が楽しければいいの。明日はもっと楽しくしようとは思わないのさ。だからヤマトの仕事は合わないの。
余計に儲けなくたっていいんだ。
向上心がないのとはちがうのさ。欲がないだけのことさ」

「〈看板出さなきゃ仕事ができないような職人は一人前じゃねェんだ〉って育てられましたけど、
看板は出しています」

「人間、〈出世したか〉〈しないか〉ではありません。
〈いやしいか〉〈いやしくないか〉ですね」
「死んでやろうと思ってさ、
長いあいだ、じっと包丁を見つめていてさ、
・・・それで板前になっちゃった」

「よく質の悪い紙のことをワラ半紙というでしょう。
とんでもありません。
ワラの繊維で漉(す)いた紙が高級な画仙紙(がせんし)なんです。
ワラ半紙というのは、いちばんいい紙なんです」

「いくつのときから機(はた)を織ってますかといわれてもねェ。
思い出しても、思い出しても、機を織っているのよねェ」

「おい、若ェの!
何にもできなくっていいから、せめて、元気のいい返事ができねェか」

「伝統工芸は、〈百年前のままで〉という条件がついてますがね、
ミシンだって、輸入されて百年以上たってます。
でも、ミシンの仕事は伝統じゃないらしいんですよ」

「プロとアマチュアのちがいですか・・・
アマチュアは失敗をごまかせません」

「職人がデパートなんかで、実演と称して見世物にされているのをみると、
情けなくなるねェ。
腕は客に見せなくったっていいもんだよなァ」

「職人気質(かたぎ)という言葉はありますが、
芸術家気質というのはありません。
あるとすれば、芸術家気取りです」

「オレは貧乏だ、しかし貧乏人じゃないよ」

「値切るっていうのは品が無いよ。
高いと思ったら買わなきゃいいんだ」



商  品  紹  介
上喜元 発泡性清酒 『涼夏(すずか)』
 夏本番を直前に控え、暑い夏にぴったりなスパークリング日本酒です。
 山形県で開発した特許酵母「TY−24」を使用し、発泡性清酒に最適なにがみと甘さ、そしてコクをバランス良く仕上げた一本です。
 発泡性というとにごり酒を連想しますが、この酒はスッキリと澄んでいて、にごりではありません。キンキンに冷やしてお召し上がり下さい!!
  内容 原料米:出羽の里 精米歩合:60% アルコール度:9%
     日本酒度:−15 酸度:1.5 酵母:TY−24
                     330ml 567円
上喜元 純米吟醸 『月夜』
 全国でも屈指の米の造り手が育んだ、兵庫県「吟の里」と富山県「山田錦」が融合した、夏に最適の純米吟醸です。グッと冷やして、暑い夏の晩酌に!
  内容 原料米:山田錦、吟の里 精米歩合:55% 度数:13〜14%
     日本酒度:+4 酸度:1.4 酵母:上喜元自社酵母
                    1.8L 2625円
出羽桜 微発泡にごり酒 『とび六』 吟醸生酒
 乾杯の酒、脂っこい食事と相性の良い酒、出羽桜がそんな要望にお応えするのが吟醸にごり酒の『微発泡 とび六』です。
 『微発泡 とび六』は吟醸生酒の奥深くも優しい味わいに加え、微発泡の爽やかなのど越し、甘すぎない風味が絶妙です。
 吟醸にごり酒『とび六』をキーンと冷やして、炭酸の刺激とともに爽やかなのど越しをぜひご賞味ください。
  原料米:山形県産米 精米歩合:50%
  度数:15〜16度 日本酒度:−3 酸度:1.5 酵母:小川酵母

  ※取り扱い注意点
  ・必ず冷蔵庫で保管してください。
  ・開封の際は噴き出す恐れがありますので、冷たいまま、ビンを振らずに、王冠を少し開けたり締めたりを繰り返し、ビン内部のガスを十分抜いてから開封してください。
  ・沈んだ「オリ」は、開封後、王冠を締め直した後に、軽くゆすって混ぜてください。
                    300ml 630円




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