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日本最古の有料道路 いやあ、今年の雪の多さにはちょっと困惑しています。正月三が日は好天に恵まれ、今年はさい先がいいぞと思ったのもつかの間、その後、一月中はほとんど太陽を見ることなく、来る日も来る日も雪、雪、雪、雪・・・。おまけに例年になく寒さも続き、降った雪が解けることなくただひたすら積もるだけ。2月1日には積雪2メートルに達しました。 ちなみに、新庄の1月の平均気温はマイナス2.2度、1平方メートルあたりの降り積もった雪の重さは2月2日現在で475kgです。この重さが屋根に載っているわけですから、もし一度も雪下ろしをしていなければ家がつぶされるのも無理のない話ですよね。 幸い、2月2日からは雪らしい雪もなく、ホッとひと息ついていますが、このまま春まで雪の降らない日が続いて欲しいと、叶うはずのない願いを思い抱いています。 さて、今回の富田通信は芝田晩成著『酒鑑(さけかがみ)』より、日本最古の有料道路とその当時の酒の値段などについて書いてみましょう。なお、この本が出たのは39年前ですので、本に載っている年数、米価や酒の値段などは現在の数値に計算し直しました。 最古の有料道路 約260年前、わが国に有料道路があった。その道路の名は誰も知っている「青の洞門」。大分県の名勝耶馬渓(やばけい)にある。185メートルのトンネル青の洞門がそれである。 徳川時代の中期、享保6年(1721)ごろ一人の旅僧が、たまたまこの地に現われてきて、独力でトンネルを掘るため槌を持った。約30年の努力ののち、寛延3年(1750)ごろついに完成したのである。僧の名は禅海。旧高田藩士、福原市九郎である。開通したのちは、通行人から一人4文、牛馬は8文を取り、安永3年(1774)ごろ80余歳で死ぬまでに百両ほどたくわえたが、この大枚はことごとく羅漢寺に寄付したといわれる。 4文、現代の金にしたらどのくらいか? 昔の価格を現在と比較する場合には、普通、米価を標準にする。米の価格は年々変動も多いのであるが、当時幕府が指示した公定価格は、大体一石につき一両くらいの見当である。そこで、現在の米価(山形県産はえぬきの小売価格)を仮に一石、60000円とすれば、当時の一両は今日の60000円に相当する。 また、小判一枚は、どんな種類でも一両として通用し、1両は4分(ぶ)であり、1分は4朱(しゅ)であるから、16朱をもって1両に替えた。銀は目方で示され、60匁(もんめ)が1両であった。したがって、15匁が1分、3.75匁が1朱に相当する。銭(ぜに)は4000文(4貫文)をもって1両とした。1分は1000文(1貫)である。 米価から推定すると、当時の1分は15000円に当たり、銭では1000文となる。したがって、銭1文は今日の15円に相当し、青の洞門の通行料金は60円に当たる。なお、明和5年(1768)に「波銭」と称する寛永通宝が出されたが、この銭一枚は4文であるから、洞門の通行料は、人間が銭1枚、牛馬は2枚ということになる。 なお、ついでながら、酒価について記したい。「三省録」(享保15年、1730年)によると「一、148文、新諸白(しんもろはく)2升。一、448文上々しょうゆ1樽」とあり、酒1升(1.8L)は、74文であって、現代の金になおすと、1110円である。しかし、寛永通宝の劣貨が出されてから物価が高くなり、明和の酒価は、高騰した。「金曽木」によると、「予(大田蜀山人1749-1823)が稚きころ、半紙の価12文なり(紙のあしきは10文なり)、それより14文、16文、26文に至り、酒の価1升124文、132文を定価とす。賤きは80文、100文もあり、なかころ148文、164文、200文にいたり、248文ともなれり。これは明和5年戌子なり、南鐐(なんりょう、江戸時代の通貨、二朱銀)四文銭出来て銭の相場賤く物価貴くなれるなり」とある。 このように、銭で扱う零細物資は、銭相場が一定しないので簡易には比較できない。たとえば、夜鷹の24文が今日のいくらに相当するかという割り出しはむずかしい。 「酒造作業歌」(中仙道道中歌、江戸末期) ♪次は浦和宿 小鳥が住まぬ 住まぬはずだよ 鷹が住む。 上尾女郎衆と秩父の山は 西(二朱)じゃ高いと人が言う。 本庄台町五百できまる 酒と肴で二朱かかる。(一朱は250文) 軽い沢とは 誰が名をつけた 一夜泊りの酒屋者。 なお、井原西鶴(1642-1693)の「世間胸算用」巻五に、当時の酒価と金勘定がくわしくつづられている。 |
商 品 紹 介 |
麓井 『純米吟醸 雄町 おりがらみ生酒』 |
純米吟醸新酒にごり酒です。雄町独特の線の太さがお楽しみいただけると思います。おりがらみの雄町は注文分だけの生産ですので、売り切れの際はご容赦ください。 内容 原料米:岡山県産雄町100% 精米歩合:50% アルコール度:16〜17% 1.8L 3150円 |
出羽桜 しぼりたて生原酒 『純米大吟醸 愛山(あいやま) 500ml』 |
「純米大吟醸 愛山」は市販純米酒の品評会「第2回 純米酒大賞2010」にて、最高賞「純米酒大賞」を受賞しました。一昨年の「純米吟醸 雄町」の受賞に引き続き、2年連続の受賞です。 受賞を記念し、「しぼりたて生原酒 愛山」が発売されます。ぜひご賞味下さい。 入荷予定:2月下旬 内容 原料米:愛山100% 精米歩合:45% 度数:17% 日本酒度:+3 酸度:1.5 酵母:山形酵母 500ml 1700円 |
お 知 ら せ |
第23回「名酒を楽しむ集い」ご案内 |
第23回「名酒を楽しむ集い」を下記要領で開きます。今回も普段なかなか口にできない酒や、美味しい酒を取りそろえて、つたや本店の素晴らしい懐石料理とともに楽しみたいと思っております。ぜひ、ご参加下さい。 なお、定員になり次第、締め切らせていただきますのでご了承下さい。 日時 平成23年2月19日(土) 受付/午後6時 開宴/午後6時30分 会場 つたや本店 会費 10000円 定員 40名 主催 富田酒店 協賛 つたや本店 ※参加申し込みは富田酒店までお願いします。 |
E-mail:tomita@vega.ne.jp ->メール |