第275号(2010.8.10)
クイズ! お酒ゼミナール
 残暑お見舞い申し上げます。
 いやぁ〜、それにしても暑いですね。6月中旬頃より続いている気温の高さは7月に入っても続き、平年より5日早い7月18日の梅雨明け以降はさらにその勢いを増し、8月に至ってはもう身の置き場もない有様です。
 日陰に留まったスズメも口を開け、少しでも体温を下げようと翼を広げています。羽毛に覆われた彼らにとって、この暑さは人間以上に堪えるのでしょう。
 こんな日は、シャワーでも浴びてビールを飲んで、富田通信、休め!ってのが一番なんでしょうが、暑さですっかりひからびた脳にむち打って、クイズ!お酒ゼミナールと参りましょう。

【問題1】昭和34年、計量法の改定によっていちおう尺貫法は使えないことになったのですが、日本酒の世界ではまだまだ健在です。
では、次の容量はどれでしょう。

 (1)清酒1合は
   (ア.100  イ.130  ウ.150  エ.180) ml
 (2)清酒1升は
   (ア.4  イ.7  ウ.10  エ.15) 合
 (3)清酒1斗(いっと)は
   (ア.4  イ.7  ウ.10  エ.15) 升
 (4)清酒1石(いっこく)は
   (ア.4  イ.7  ウ.10  エ.15) 斗

【問題2】ワインにコルク栓がしてあるのはなぜでしょうか。
 (1)びんの中のワインは生きているので、外の空気を呼吸しやすくするため
 (2)びんの中のワインを外の空気と完全に遮断するため
(3)たんなる見栄えのため

【問題3】杯の中には、底が尖っていたり、穴が開いていたりして、酒を飲み干すまで下に置けないものがありますが、その杯の名前は?
 (1)ぐいのみ
 (2)可杯(べくはい)
 (3)馬上杯(ばじょうはい)
【問題4】ウイスキーやブランデーを樽で長期間熟成させていると、樽の微細な木目から少しずつ蒸発していき中身が減ります。この蒸発し減った分を“天使の分け前”と呼びますが、では、残った中身のアルコール度数は?
 (1)変わらない
 (2)アルコール度数が低くなる
 (3)アルコール度数が高くなる

【問題5】清酒、ビール、ワインなどお酒を造るときに酵母が欠かせませんが、酵母の役割は何でしょうか。
 (1)酒の風味を良くする
 (2)でんぷん質を糖分に変える
 (3)糖分を分解してアルコールをつくる



解答と解説・・・
【問題1】(1)エ (2)ウ (3)ウ (4)ウ
 厳密にいうと1合は約180.39ミリリットルで、1升は約1.8039リットル。

【問題2】(2)
 ワインは生きているなんて聞くと(1)が正解だと思いがちですが、(2)の外気と完全に遮断するためが正解です。それが証拠に熟成の必要な高級ワインほど長いコルク栓を使っていますし、さらに念の入ったものはコルクで栓をした上からロウで密封してあるものもあります。
 ワインの保管に一定温度が必要なのは、温度変化によりワインが膨張・収縮を繰り返すことでびん内に強制的に空気が入ってしまうのを防ぐためです。また、ワインを寝かせておいてあるのもコルクの乾燥を防ぎ、空気の流入を防止するためです。ワインはびんの中にあるわずかの空気で熟成します。

【問題3】(2)
 正解は(2)の可杯(べくはい)です。漢文では、可の字は必ず上に置いて下から返って読み、下には置かれないことからこの名前がついたといわれていますが、はっきりしたことはわかりません。

【問題4】(3)
 アルコールの方が水より蒸発しやすいのですが、水よりも分子が大きいため、樽の微細な木目を通り抜けにくいのです。その結果、アルコールよりも水の蒸発が大きく、アルコール分が高くなります。
 余談ですが、樽材には原木を手作業で割り出した「割材」と、鋸で切り出した「挽材」に分けられます。手間はかかっても酒類の樽用としては「割材」が理想的です。木が木目に沿って割れるため、「割材」は木目が板と平行に残り、漏れに強いのが特長。木目を寸断してしまう「挽材」の場合、長い間に道管などを通して、原酒がしみ出してしまうおそれがあります。

【問題5】(3)
 酵母は糖分を分解して、アルコールをつくることによってエネルギーを獲得し、それで生命を維持し繁殖します。これがアルコール発酵です。またそのとき多量の炭酸ガスが発生します。理論的には1kgのデンプン(または1.11kgの糖分)を含む原料から0.72リットルの純アルコールと約300リットルの炭酸ガスができます。すべての酒類は酵母がなければできません。
 蛇足ながら、パンをつくるときは酵母が作る炭酸ガスを利用してパン生地をふっくらと膨らませます。



商  品  紹  介
竹の露 無濾過純米白露垂珠『ミラクル77』
 羽黒町の地酒、竹の露さんの山形県の酒造好適米「出羽の里」を使った、シャープなコクが冴え渡る、新ジャンルの辛口純米酒。
 春先に一回火入れをし、タンク熟成ののち、そのまま瓶詰めされた、さわやかな旨みが心地よい、すっきりタイプのお酒です。お求めやすい価格で新登場。
  内容 原料米:出羽の里 精米歩合:77% アルコール度:15%
     日本酒度:+4 酸度:1.1 酵母:山形KA酵母
                    1.8L 2100円



……… 編 集 後 記 ………
○今年のわが北町若連の新庄まつりの山車は「風流 真田十勇士」。大屋根の上に猿飛佐助、霧隠才蔵を始めとする5体の人形と虎2匹、龍2体、さらには大鷲までもが所狭しと並びます。完成予想図はそれは見事なものですが、なにせつくってるのは素人集団。まあ、そこが国の重要無形文化財に指定された理由でもあるんでしょうが、この暑い最中、連夜、町内の若い連中と山車制作&その後のミーティング兼飲み会に励んでいます。・・・乾杯!

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