第271号(2010.4.10)
絶対に酔わない飲み方
 今年は寒いのか暖かいのか、イマイチはっきりしない年です。3月下旬には最低気温が氷点下6度を下回る日が続き、4月に入ってもすっきりとした晴れの日は少なく気温も低めに経過しています。
 それでも新庄の桜の開花予想日はわりと暖かかった去年と同日の4月19日となっていましたから、まあ、やはり平年並みか暖冬だったんでしょうね。
 さて、3月から4月にかけては歓送迎会やらお花見やらで、お酒を飲む機会が増えますよね。飲めば飲んだで次の日の朝のことが気にかかります。
 そこで今回の富田通信は飲んだお酒が完全に醒めるまでどれくらい時間がかかるのかについて佐藤信著『酒を楽しむ本』より書いてみましょう。

アルコール度数
 本題に入る前にアルコール度数からお話しします。よく、この清酒のアルコール度数は15%だとか、この焼酎は25度だとかいいますよね。
 この割合を示す数字はお酒の中のアルコール分の量を示すもので、日本では重量パーセントではなく、容量パーセントを用いています。
 それは酒税法に「アルコール分とは、温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの量をいう」と定義されているからです。
 これは、アルコール分が15度の清酒があるとして、その清酒を摂氏15度にして、100ミリリットルとるならば、その中に15ミリリットルのエチルアルコールが入っていることを意味しています。

絶対に酔わない飲み方
 では、本題に入りましょう。飲んだお酒のアルコールは、胃や小腸で速やかに吸収され、一定の速度で酸化され、消失していきます。したがって血液中に存在するアルコール分は、胃や小腸から吸収されてくるアルコール分から、体内で酸化消失していくアルコール分を差し引いた残りとなります。
 つまり、
  
血液中のアルコール量=体内に入ってくるアルコール量 − 体内で酸化消失するアルコール量
ということになります。
 そこで、もし入ってくる量と消失する量が常に等しければ、血液中のアルコール量は常にゼロになり、理論上はまったく酔わないで酒を飲み続けられることになります。
 さて、体内でアルコールが代謝される速度は、個人差があるとしてもほぼ一定していて、体重1キログラムあたり、1時間に約0.1から0.15グラムであり、飲酒量が多い時には、この値が大きくなります。そこでここでは0.12グラムを採用します。したがって、体重1キログラムあたり、0.12グラムのアルコールを1時間ごとに飲んでいれば、血液中のアルコール量は常にゼロで、絶対に酔うことはないはずであります。
 ところでこの量は、現実の酒の量に換算すればどうなるのでしょうか。
 体重60キログラムの人が、1時間に代謝するアルコール量は60×0.12=7.2グラムです。
 飲んだアルコールの重量は
  
飲んだアルコール重量=飲酒量×アルコール度数(%)×0.8(アルコールの比重)
で求められます。
 体重60キログラムの人が1時間あたりに代謝するアルコール量は7.2グラムですから、アルコール度数が15.5%の清酒を飲んだ場合には上の式にはめて計算すると
  7.2=飲酒量×0.155×0.8
  飲酒量=7.2÷0.124  
で、約58ミリリットルとなります。
 つまり、1時間に58ミリリットルの割合で飲んでいるかぎり、絶対に酔わないといえます。盃1杯の量はだいたい12ミリリットルですから、12分間に盃一杯の割合で飲めばいいことになります。

酒は何時間で醒めるか(代謝時間の公式)
  
代謝時間=[飲酒量(ml)×アルコール度数(%)×0.8]÷[0.12×体重]−飲酒時間
 この公式を用いると飲酒後何時間で酒が醒めるかを計算することが出来ます。体重60キログラムの人が15.5%の清酒を2合(360ml)、1時間かけて飲んだ場合は(360×0.155×0.8)÷(0.12×60)−1=5.2となり、飲み終わってから5時間12分でアルコールが代謝されることになります。
 しかし、これはあくまで計算上のことで、実際の酒宴では自分の酒量を正確に把握することは不可能に近いことですので、翌朝、車を運転なさる方はくれぐれもご注意ください。



商  品  紹  介
山形の生酒 限定醸造頒布会
 山形県内18社の蔵元が腕によりを掛けて仕込んだ生酒を300mlのビンに詰めて、毎月6種類×3カ月、お届けします。
 今年も、上記頒布会をお買い上げいただいた方だけお申込いただけるプレミアム頒布会として、8月に720ml×2本の頒布会をご用意しました。
 なお、限定数に達した段階で締め切らせていただきます。(注:プレミアム頒布会のみの申し込みはできません。)
 頒布期間/平成22年5月・6月・7月まで毎月各1回、計3回
      プレミアム頒布会:8月1回
 会  費/毎回3150円×3回(税込) プレミアム頒布会:3150円(税込)
 申込締切/平成22年4月20日
 頒布酒(いずれも300ml瓶詰め生酒)
  5月 東北銘醸 吟醸酒  初孫
     冨士酒造 吟醸酒  加藤家戸隠し吟醸 吟しぐれ
     千代寿  吟醸酒  吟造り生酒
     大山   本醸造  生酒本醸造
     男山   吟醸酒  吟醸つららぎ
     米鶴   大吟醸  寒雫
  6月 和田酒造 大吟醸  あら玉
     酒田酒造 純米吟醸 上喜元
     秀鳳   純米吟醸 恋おまち
     羽陽錦爛 純米吟醸 雄町
     新藤酒造 本醸造  泉氷鑑 芳雪
     出羽桜  純米吟醸 限定 純米吟醸
  7月 東光   大吟醸  東光 大吟醸
     小屋酒造 吟醸酒  花羽陽
     菊勇   吟醸酒  出羽燦々 栄冠菊勇
     高橋酒造 純米酒  特別純米
     鯉川   純米酒  純米 鯉川
     高木酒造 純米吟醸 十四代特吟
 プレミアム頒布酒(720ml×2本)
  8月 月山酒造 吟醸酒  銀嶺月山
     亀の井  純米吟醸 酒未来 くどき上手
※発送の場合は送料が加算されます。ご了承ください。




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