第263号(2009.8.10)
クイズ! お酒ゼミナール
 残暑お見舞い申し上げます。
 今年の新庄は5月、6月は平年に比べて降水量が半分以下だったのですが、7月は318.5ミリと平年の72%増の雨量となりました。3カ月合計の降水量は平年が423.2ミリ、今年が422ミリときっちりと帳尻を合わせた格好です。なんとも自然はうまくできていますね。
 知らなかったのですが、梅雨明け宣言というものは立秋までに出されないと梅雨明けしない年ということになるんだそうですね。ということは今年の東北地方は梅雨が明けないままに夏が過ぎるということになるようです。
 このカラッとしない天候のせいで、稲に葉いもち病が発生し始めたとニュースでやっていました。収穫にあまり影響が出なければいいのですが。
 さて、明けない梅雨を愚痴ってみても仕方ないので、こちらはカラッと8月恒例のクイズ!お酒ゼミナールと参りましょう。

【問題1】最近、若い人たちの間でカクテルが流行りだそうですが、このカクテルの語源は何でしょう。
1.初めてミックス・ドリンクをつくった人の名前
2.ミックス・ドリンクをかき混ぜていた木の枝
3.初めてミックス・ドリンクがつくられた土地の名前

【問題2】酒飲みのことを「左きき」といいますが、なぜ左ききというようになったのでしょうか。
1.佐渡の金山言葉から
2.大酒飲みには左ききが多かったから
3.昔、酒を飲むことは神聖な行事であったため、普段使わない左手で飲んだことから

【問題3】日本酒つくりで「こしきだおし」といわれる行事がありますが、それはどんな行事でしょうか。
1.酒づくりが始まる前に酒づくりの無事を祈る行事
2.酒づくりの中程で蔵人たちの士気を高めるための行事
3.酒づくりの仕込みが無事終わったことを祝う行事

【問題4】正体をなくして酔いつぶれた状態を「泥酔(でいすい)」といいますが、その言葉のいわれは何でしょう。
1.酔って転んで泥まみれになることから
2.空想上の虫の名前から
3.酔いつぶれると目がドロンとすることから

【問題5】縄のれんといえば居酒屋っていうくらい居酒屋の代名詞になっていますが、そもそもこの縄のれんの役割は何だったのでしょう。
1.蠅よけ
2.客寄せ
3.店の目印



解答と解説・・・・・
【問題1】2
 カクテルの語源は、古来よりさまざまな説が伝えられていますが、国際バーテンダー協会のテキストに述べられている説には次のようにあります。
 昔、メキシコのユカタン半島のカンペチェという港町に、イギリス船が入港したときのこと。上陸した船員たちが、ある酒場に入ると、カウンターの中で少年がきれいに皮をむいた木の枝を使って、おいしそうなミックス・ドリンクを作って土地の人に飲ませていた。当時、イギリス人は、酒というものをストレートでしか飲まなかったので、とても珍しい光景に映り、ひとりの船員が「それは何?」と少年にたずねた。少年はその時使っていた木の枝のことを聞かれたのかと勘違いして「これは、コーラ・デ・ガジョ( Cola de Gallo)」と答えた(コーラ・デ・ガジョとは、スペイン語で“オンドリのシッポ”の意)。少年は、木の枝の形が似ているので、洒落てこんな命名をしたわけ。このコーラ・デ・ガジョを英語に直訳すると、“テール・オブ・コック”となり、以来、船員たちの間でミックス・ドリンクのことをテール・オブ・コックと呼ぶようになり、やがて略してカクテル(Cocktail) と呼ぶようになった。

【問題2】1
 酒飲みのことを左ききというようになったのは大工からとの説もありますが、佐渡の金山から出たもののようです。金鉱地が大繁盛し、遊女屋などが軒をならべていたころ、金山言葉と言って、鉱山関係の言葉をもじった新造語が、ここを中心に流行しました。この「左きき」もその中の一つでした。
 通常、金鉱石を掘る時には左手にノミを持ち、右手には金づちを持つことから、左手がノミの手、つまり飲み手となり、酒飲みのことを左ききと言うようになりました。

【問題3】3
 こしきだおしとは酒蔵にとって、酒の仕込みが今日を以てやっと終わったという一番おめでたい行事です。
 こしきとは米を蒸すための巨大なセイロのようなものですが、酒蔵は仕込みの期間中ずっと、酒を仕込むためにこしきを使って蒸し米をつくり続けます。
 酒の仕込みが終わればこのこしきで米を蒸すこともなくなり、大釜の上からこのこしきを倒すことから「こしきだおし」の名前がついています。

【問題4】2
 この泥酔という言葉は中国の詩人、杜甫の詩の一節「酔如泥(すい、でいのごとし)」からきたものです。
 この「泥(でい)」とは中国の『異物志』に出てくる空想上の虫のことで、南海に住み、骨がなく、水中ではいきいきしているが、水がなくなると泥のようになってしまうと考えられていました。
 ぐでんぐでんに酔いつぶれた状態がちょうどこの「泥」に似ていることから泥酔という言葉が生まれました。

【問題5】1
 居酒屋の発祥年代ははっきりしませんが、おそらく江戸時代も17世紀後半から18世紀初めにかけてといわれています。酒樽を椅子にし、板に脚をつけただけの簡単な食卓を置いたのは、酔客があばれて壊されても損害が少なくてすむようにするため、縄のれんは店に蠅が入ってこないようにするためと、今と違って当時の居酒屋は実用一点張りでした。



……… 編 集 後 記 ………
○8月24、25、26日の新庄祭りが今年から国の重要無形文化財に指定されました。いつもの年にもまして、山車つくりとその後の仲間たちとの製作会議兼、酒盛りに毎晩、精魂を傾けております。・・・エヘヘ。乾杯!



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