第236号(2007.5.10)
地球温暖化は本当か?
 4月23日に咲き始めた桜も散り、ゴールデンウィークも終わり、裏庭の柿の木からは薄緑色の透き通るように柔らかな若葉が萌え出でています。あちこちの家の庭先には山で採ってきたゼンマイが干されていたりして、新庄はいま、春まっただ中です。
 ところでこのところ、このまま化石燃料を消費して二酸化炭素の排出量が増え続けると100年後にはまるで人類が絶滅してしまうかのような地球温暖化説がマスコミをにぎわしていますね。でも、人類を絶滅に追い込むような地球温暖化は本当に起こっているんでしょうかね?
 地球温暖化説が既成の事実のように言われている時代に、こんなことをいうと何だか石を投げられそうなんですけど、私がこんなことをいうのにはわけがあるのです。
 じつは、いまから30数年前、まだ学生だったころ、「地球は寒冷化が進んでいてこのままいけば間違いなく氷河期に突入する。さらには化石燃料の埋蔵量はあと約20年分ぐらいしか残っていない。化石燃料に変わるエネルギーを至急開発できなければ、作物は収穫できなくなり、飢えと寒さで人類の生存はかなり難しい」といった、いまとはまったく逆のことがまるで既成事実のようにいわれていたのです。
 そんなこともあって「地球温暖化説」には素直にうなずけない何だかうさんくささを感じていたのですが、先日『地球温暖化は本当か?』矢沢潔著 技術評論社という目からウロコの本に出会いました。
 そこで今回の富田通信はお酒の話をうっちゃって、紙面の関係で本の内容のごく一部だけですがかいつまんで紹介します。

グリーンランドと南極の氷は溶けているか
 温暖化論議の中でもセンセーショナルなものは気温上昇と共に極地の氷が溶けて海水面が上昇し世界の主要都市は水没してしまうというものですね。現にテレビでは極地の氷が轟音とともにすごい勢いで海に崩れ落ちているところが放映されます。最新の計算によると極地の氷がすべて溶けると海水面は約56メートル上昇するということです。
 では、実際に極地の氷は溶けて少なくなっているのでしょうか。北極圏にある世界最大の島、グリーンランドの氷は周期的に多くなったり少なくなったりすることが知られています。ちなみにいまはすっかり氷に覆われ人が住めない状態になっていますが、いまから1000年ほど前は島周辺は緑に覆われ北欧のバイキングが住んでいました。グリーンランドの地名はそこに由来しています。いま、グリーンランドの氷がすごい勢いで溶けているといわれていますが、これが温暖化のせいか、あるいは周期的なゆらぎなのかはまったく分かっていません。
 南極に関しても同様で猛烈なスピードで溶けているという科学者もいれば、逆に氷は増えているという科学者もいます。最新の観測では極地の氷は全体量で増えているとのデータもあります。

シミュレーションで温暖化を予測できるか
 50年後に平均気温が2度上昇するだとか100年後に6度上昇するだとかいうのは気候モデルをつくってそれにいろいろな数値を入れてコンピューターで計算させたものです。
 というと何だか予測可能なような気がしますが、現時点では気候変化に関してはほとんど分かっていなくて、したがって予測に必要な数値もごく一部をしかも極端に単純化したものしか用いることができず、予測結果においては現実とは大きくかけ離れたコンピューターゲームの域を出ていません。
 冷静に考えれば天気予報の3カ月予報でさえあまり当たらないのに、それより遙かに複雑な気候モデルで50年後、100年後の地球全体の気候予測なんて現時点では不可能なんですよね。
 それに二酸化炭素の増加によって気温が上昇したと初めにいったのは、NASAのジェームズ・ハンセンですが、彼がその証拠として提出したグラフ(1880〜1980までの平均気温と二酸化炭素濃度の比較)をよく見てみると、絶えず平均気温の上昇の方が二酸化炭素濃度の増加よりも先行しているのです。ということは何らかの原因で地球の平均気温が上昇し、海水に溶けている二酸化炭素が大気中に放出され、結果として大気中の二酸化炭素濃度が増加したとも言えるのです。つまり原因と結果が逆の場合もあり得るのです。

 たしかに、地球環境を守ることは何より大切ですし、化石燃料をむやみに消費していいはずもありません。
 しかし、地球温暖化の問題は本来あくまで地球環境科学の問題で、現時点ではまだほとんど分かっていないのです。政治的に利用したり、温暖化をうたい文句に金儲けに走ったり、ましてや踊らせられたりしないように気をつけましょう。興味のある人はぜひ一読をお勧めします。



商  品  紹  介
出羽桜 微発泡にごり酒
       『夏祭り とび六』吟醸生酒
 今年もまた『夏祭り とび六』の季節がやってきました。蔵元は「微発泡」といっていますが、去年、一昨年の『とび六』はまるで吟醸サイダーとでもいった方がいいくらいのガス圧でした。
 吟醸にごり酒『とび六』をキーンと冷やして、強い炭酸の刺激とともに味わえば暑い夏の日に最適です。
 入荷予定日 6月上旬
  原料米:麹米・美山錦 掛米・雪化粧 精米歩合:50%
  度数:15〜16度 日本酒度:−3 酸度:1.5 酵母:小川酵母
  ※取り扱い注意点
  ・必ず冷蔵庫で保管してください。
  ・開封の際は噴き出す恐れがありますので、冷たいまま、ビンを
   振らずに、王冠を少し開けたり締めたりを繰り返し、ビン内部の
   ガスを十分抜いてから開封してください。
  ・沈んだ「オリ」は、開封後、王冠を締め直した後に、軽くゆすって
   混ぜてください。
                     300ml 630円
最上川『純米大吟醸』
 山形県の酒米「出羽燦々」を全量使った純米大吟醸です。
  内容 原料米:出羽燦々100% 精米歩合:40% 度数:15.3度
     日本酒度:+1 酸度:1.1
                    1.8L 3500円



……… 編 集 後 記 ………
○篠笛を吹き始めて一年が過ぎました。直接、先生に吹き方を習ったことはなく、まったくの独学ですが何とか吹けるようになってきました。飽きずに吹いているのはおそらく篠笛が不完全な楽器だからではないかと思っています。不完全な故に美しい音を出すために吹き方にあれこれと調整が必要で、音を探し、音をとぎすませながら吹いていると、不思議とこちらの心の内が音に表われるようで・・・。一生の友になるような予感がしています。

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