第227号(2006.8.10)
クイズ! お酒ゼミナール
 残暑、お見舞い申し上げます。新庄は8月2日、ようやく梅雨が明けました。平年より10日遅く、去年より2日早い梅雨明けだそうです。
 7月はまったく雨の降らなかった日が8日しかなく、暑さで寝苦しい夜なんかは皆無でどうなることやらと案じていたのですが、梅雨明け後は一転して連日の猛暑になりました。
 この極端な気温の変化に、連夜の新庄祭りの山車制作の疲れも相まって身体が悲鳴をあげています。あぁ〜、7月のあの涼しさが恋しい・・・なんていったらバチが当たりますね。
 さて、眠り込んでしまいそうになる脳みそに活を入れてクイズ!お酒ゼミナールと参りましょう。

【問題1】ワインにコルク栓が使われているのは、何のためでしょう。
1.びんの中のワインを外の空気と完全に遮断するため
2.びんの中のワインは生きているので、外の空気を呼吸しやすくするため
3.コルクを使うと高級感が出るため

【問題2】ウイスキーやブランデーを樽で長期間熟成させていると、樽の微細な木目から少しずつ蒸発していき中身が減ります。この蒸発し、減った分を何と呼ぶでしょう。
1.天使の分け前
2.樽の分け前
3.貯蔵庫の分け前

【問題3】次の短歌は若山牧水の作品です。順序よく並びかえて、短歌を完成してください。
1.飲みはじめたる 二合の酒の 一合の かんがへて 夏のゆふぐれ
2.稲の穂の 日にまされ来れ 日本(やまと)の国の 秋かぜや 酒のあぢはひ
3.それほどに なんと答へむ とひたらば うまきかと人の この酒の味

【問題4】ビールの王冠栓のギザギザの数は何個あるでしょう。
1.メーカーごとに違うのでいちがいに何個とはいえない
2.メーカーや銘柄に関係なく21個である
3.メーカーや銘柄に関係なく24個である

【問題5】日本酒の変敗を防ぐために「火入れ」という熱殺菌の方法がありますが、その温度はどれくらいでしょう。
1.50度
2.65度
3.80度


解答と解説・・・・・
【問題1】1
 ワインは生きているなんて聞くと(2)が正解だと思いがちですが、(1)の外気と完全に遮断するためが正解です。それが証拠に熟成の必要な高級ワインほど長いコルク栓を使っていますし、さらに念の入ったものはコルクで栓をした上からロウで密封してあるものもあります。
 ワインの保管に一定温度が必要なのは、温度変化によりワインが膨張・収縮を繰り返すことでびん内に強制的に空気が入ってしまうのを防ぐためです。また、ワインを寝かせておいてあるのもコルクの乾燥を防ぎ、空気の流入を防止するためです。ワインはびんの中にあるわずかの空気で熟成します。

【問題2】1
 “天使の分け前”と呼びます。何とも洒落た呼び名ですね。
 余談ですが、不思議なことに樽に詰められたウイスキーやブランデーの原酒は、時間が経ち中身が減っていくとともにアルコール度数は上がっていきます。その理由は、アルコールの方が水より蒸発しやすいのですが、水よりも分子が大きいため、樽の微細な木目を通り抜けにくく、その結果、アルコールよりも水の蒸発が大きく、アルコール分が高くなるのです。
 天使もご馳走になるだけではなく、きちんとお返しをしているのですね。

【問題3】
1.かんがへて 飲みはじめたる 一合の 二合の酒の 夏のゆふぐれ
2.秋かぜや 日本(やまと)の国の 稲の穂の 酒のあぢはひ 日にまされ来れ
3.それほどに うまきかと人の とひたらば なんと答へむ この酒の味

【問題4】2
 ビールの王冠栓のギザギザは銘柄やメーカーに関係なく21。これより多いと抜きにくく、少ないとはずれやすいそうです。
 ビールの栓は、コルク、ゴム、陶器と変遷を経て、1892年にイギリスのウイリアム・ペインターという人が王冠栓を発明し、世界に広まりました。

【問題5】2
 皆さんご存じのように、酒は、酵母をはじめとしてさまざまな微生物が働いてつくられます。別の言い方をすれば、酒をつくるということは、酒つくりに有用な微生物を管理・育成することである、ということが出来ます。
 ところで、酒が出来てからもこれら微生物の一部は生き残っていて、でんぷんなどをブドウ糖にまで分解したりして、酒質をどんどん変化させます。
 また、火落菌(ひおちきん)という日本酒だけにしか生えない細菌などにより、白濁したり、香味が悪くなってしまう危険もあります。
 ですから、それらを防ぐために、一度、新酒を65℃前後に加熱し、殺菌をするとともに、酵素の働きも止めます。それを「火入れ」といいます。そしてこの火入れは、ビン詰めのときにもおこないます。
 西洋でこの火入れを最初に発見したのはパスツールで1800年代の中ごろですが、日本では1500年代の中ごろにはすでにこの火入れが行なわれていました。パスツールの発見よりも300年も前のことです。
 ちなみに、低温殺菌のことを発見者のパスツールから名を取ってパスツーリゼーションと呼びます。もちろん、日本酒の世界ではそうは呼ばず「火入れ」と呼んでます。日本酒の方が遙かに先ですものね。



商  品  紹  介
        最上川 純米吟醸『雪室熟成酒 山田錦』
 冬にできた酒をそのまま雪室に入れて熟成させました。去年は酒米に五百万石を使いましたが、今年は山田錦です。飲んでみましたが、香り、味、ともにバランス良く熟成してました。
  内容 原料米:山田錦100% 精米歩合:50% 度数:15〜16度
                    1.8L 2800円


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