第226号(2006.7.10)
ささの葉 さ〜らさら〜♪
 6月9日に梅雨入りしました。例年よりちょっと早めの梅雨入りに、今年は季節がずいぶんと遅れていたがやっと追いついたのかと思ったのでしたが、やはり季節は遅れているのか7月に入っても少し肌寒い日が続いています。
 この時期になると、海の堤防のあちこちでクロダイが釣れたという情報が入ってくるのですが、今年はいっこうにありません。しびれを切らして釣りに行ってみたりしてるのですが、まだまだ堤防にワカメが付着していてクロダイはおろか他の魚の気配もありません。かろうじて釣れるのはフグばかり・・・。でもまあ、今月も半ばになれば釣れだすでしょう。
 さて、7月といえば七夕ですね。そして七夕といえば笹竹ですよね。ところで、酒のことを「ささ」というのをご存じですか。
 今回の富田通信はこの「ささ」について『酒おもしろ語典』(坂倉又吉著)より書いてみましょう。

ささ
 歌の文句にも「ささの機嫌で、ついうかうかと・・・」などとあるように、酒のことを「ささ」ともいいます。つまり「ささ」とは酒などをすすめるときの言葉「ささ」から転じた酒の女性語です。『古事記』(中つ巻、六、仲哀)に「余さず飲(を)せ、ささ」「御酒のあやにうた楽し、ささ」とあるのが、古書にあるはじめのようです。
 また、一説には「ささ」は小児語で、さけのさを重ねたものであろうともいいますが「ぶんぶ、しっし、わんわん」などという例からしても、これもなる程と思われます。
 いま一つには、中国では酒の異名を「竹葉」ともいい、白楽天の詩の中に
  かめの竹葉酒は春を経て熟(な)れた
  階下のバラは夏に入って開いた
  火のような濃く薄き紅(くれない)は架(たな)に重く垂れ
  水飴のような味の酒が縁台に粘(ねば)る
 とあり、謡曲「猩々(しょうじょう)」の中にも、よも尽きじ、万代までの竹の葉の酒・・・と出てきます。
 そのように酒を竹葉といったのは、上記白楽天の詩にもあるように、良酒が緑色をしているところからであろうとか、もっと具体的な説として漢の時代に劉石という人があり、その継母は実子には良飯を与え、劉石には糟糠を与えました。劉石はとても食べられないので木の股におき、竹葉を覆っておいたら良酒ができました。そこでこの方法で酒をつくり業をなし富を得ましたが、それ以来酒を竹葉というようになったと申します。その竹葉からもじって、笹=ささとしたのであろうともいわれています。
 暁月坊の歌にも「さらさらと霰ふる夜は竹の葉の名におうささに酔いはじめけり」とあります。しかし『古事記』以前から「ささ」といっていた以上、これは後からつけた理屈と見るのが妥当のようです。


 酒のことを「ささ」あるいは「竹葉」ともいっていたんですね。となると、あの有名な「七夕さま」の歌詞はどのような意味になるんでしょうね。

 七夕さま♪
  ささの葉 サラサラ
  のきばに ゆれる
  お星さま キラキラ
  金銀砂子(すなご)

「七夕の夜に織り姫と彦星に思いを馳せながら酒を飲んでいたら、サラサラと喉を流れすっかり酔ってしまった。屋根のはしにゆれる星が酔いのせいでいっそう美しく、キラキラとまるで金や銀のこなのようだ」という意味なんでしょうか。・・・エヘヘ、ごめん。



 
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……… 編 集 後 記 ………
○7月9日からいよいよ新庄祭りの山車制作開始です。今年の我が町内の出し物は「かぐや姫」。8月24、25、26日の祭りに向けて制作期間は一ヶ月半。ということは、毎晩山車つくりが終わった後の明日の段取りを話しながらの飲み会が一ヶ月半続くということでもあります。その意味で新庄祭りはまさに壮絶な祭りでもあります。(汗)
○篠笛の独習を始めて三ヶ月。童謡や簡単な民謡なども吹けるようになってきました。もっと上手になるにはどうしたものかとネットで調べていたら、朱鷺たたらさんという篠笛奏者を知りました。彼女が書いた教則本は篠笛の上達に欠かせない基礎練習の方法が書いてあります。何年か先に気持ちよく篠笛が吹けるようになっていることを夢見て練習に励んでいます。



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