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山形県の酒造好適米新品種『出羽の里』 残暑お見舞い申し上げます。 東北南部は8月3日に梅雨明け宣言が出されました。平年より11日、去年より12日遅い梅雨明けです。 しかし、梅雨明け後もなかなかカラッとした天気にはならず、しかも最高気温が連日35℃前後なんですから、たまったものではありません。富田通信を書こうとパソコンの前に座っていると、外気温とパソコンの放射熱で身体中に汗がまとわりついてきます。 クーラーが嫌いで、地球温暖化防止のためにも家にはクーラーを置かないなんてうそぶいているんですが、今回ばかりはクーラーが欲しい・・・。 さて、山形県立農業試験場庄内支場では以前から、純米酒用原料米として酒造好適米の新品種開発に着手してきており「山形酒86号」を育成し、今年6月に『出羽の里』と命名されました。 『出羽の里』・・・なんか相撲取りのような名前ですが、その性質は素晴らしいものです。今回の富田通信はこの『出羽の里』を紹介します。 『出羽の里』の系譜 滋系酒56号(吟吹雪)を母に、山形酒49号(出羽燦々)を父に人工交配を行い、その後代から選抜・育成しました。(下図参照) 『出羽の里』の特性(山形農試庄内支場1998〜2003年の平均) 稲を作る側から見た特性は、何といっても農家が作りやすいということでしょう。一般的に酒造好適米は稈長が長く倒伏しやすいのですが(美山錦で90cm、出羽燦々で83cm)、出羽の里は79cmで倒伏しにくく、しかも冷害には大変強く、いもち病にもやや強いという特徴を持ちます。また、収量はやや少ないものの玄米品質は極めて良好です。 次に酒を造る側から見た特性ですが、これまた素晴らしいのです。千粒重(米の整粒1000粒の重さ)は25.9gで、美山錦の25.7g、出羽燦々の26.0gと比べてほとんど差はないのですが、驚くべきは心白発現率にあります。心白とは米の中心部にある白くて不透明な部分のことで、酒米の特徴の一つです。 この心白発現率が出羽の里では94.3%にも達するのです。つまり、玄米100粒のうち94粒以上に心白ができるのです。美山錦の81.9%、出羽燦々の76.8%に比べていかにすごいかがお分かりになると思います。 さらに、一粒の玄米に占める心白の割合もずいぶんと大きく、写真を見た限りでは精米歩合60%でほぼ心白部分だけというものも4割ほどありました。 実際にこの『出羽の里』を使って2年前から一部の酒蔵で試醸しているのですが(まだまだ米の作付け面積が小さく米の絶対量が圧倒的に少ないため)、その酒蔵から聞いた話では、米がよく溶け、しかもアミノ酸が少なく味が非常にきれいな酒になるそうです。 夢の米『出羽の里』 ここからの話は、私の勝手な想いですので、そのつもりで読んでください。 『出羽の里』の心白発現率が非常に高く、しかも心白が大きい、米がよく溶け、アミノ酸が少ない、さらには米を作りやすいという品種特性を聞いたとき、私は非常に興奮しました。なぜって、この『出羽の里』は山形県、ひいては日本中の普通酒を純米酒に変える力を持っていると思ったからです。 いまの日本酒衰退の原因の大きなひとつは、まずい普通酒にあると思います。本来日本酒は、米と米麹から造られた純米酒でした。それが戦中戦後の米不足を補うために三増酒が開発され多数を占めるようになり、米不足が解消した現在になってもその流れを汲む酒が普通酒と呼ばれています。 よく溶け、味がくどくならないという希有な特性を持つ『出羽の里』は、普通酒(けっして普通じゃない)と大差ない価格で、晩酌に耐える旨い純米酒を造り出す力を持っているはずです。願わくば一日も早く日本酒の戦後が終わらんことを。そして純米酒が普通酒と呼ばれる日の来ることを夢みて。・・乾杯! |
商 品 紹 介 |
上 喜 元 特別純米『出 羽 の 里』 |
今回富田通信で紹介した酒造好適米新品種『出羽の里』(山形酒86号)を100%使用した純米酒です。 上喜元さんは2年前の試醸から携わった蔵のひとつです。試飲してみましたが、非常にスッキリとしていて、それでいて味わいの深い純米酒でした。 まだ、作付け面積が小さく、米が圧倒的に少ないため、ごく少数の蔵でしか『出羽の里』単体での仕込みが出来ず、おそらく今回が初お目見えだろうと思います。ぜひ、一度味わってみてください。 内容 原料米:出羽の里 精米歩合:60% アルコール度:16.7% 日本酒度:+4 酸度:1.5 アミノ酸:0.7 酵母:山形酵母 1.8L 2365円 |
初 孫 『海 と 空 と 白 い 鳥 セット』 |
「白鳥(しらとり)はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」 まるで若山牧水の歌のような商品名ですが、もちろん歌にあるような孤独感や悲壮感とは無縁です。 梅雨明けした北国の日本海のようなクリアーで吟醸味漂う、特別本醸造のセットです。 720ml×2本 2625円 |
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○やはり今年は季節が遅れているのか、例年だったら7月中旬になるとバンバン釣れだすクロダイが下旬に入ってからやっと釣れだしました。型は小さいのですが、現時点での釣果は5枚です。55cmオーバー、できれば60cmオーバーの怪物との出会いを求めて、富田通信を書き終えたら竿をかついで堤防に行ってきま〜す。 |
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