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| アルコールについて 今年の6月はさんざんでした。配達先の玄関の階段で転んで左足首を折ってしまいました。転んだときボキッという嫌な音がしたのですが、何とか足は動くし、まぁ、相当ひどい捻挫だろうと思っていたのです。ところが痛みはひどくなる一方。仕方ないので整形外科へいったら、レントゲン写真を見た医者が一言、「折れてますね」。・・・即座にギブスと松葉杖の生活となりました。 その姿を見て、知り合いはことごとく「釣りでやったのか?」と判で押したような言葉。転んだ瞬間、真っ先に思ったことが釣りに行けなくなるということでしたから、自業自得ですね。 てなわけで、今回は、出歩くこともままならず、良い案も浮かばずで、平凡社刊の『噴飯 悪魔の辞典』より、アルコールについて抜き書きしてみました。この本は、各項目について安野光雅氏、なだいなだ氏、日高敏隆氏、別役実氏、横田順彌氏がそれぞれ見解を書いた、非常に機知に富んだものです。機会があればぜひ一読をお薦めします。 【アルコール】 現世界が不条理であることを、自ら不条理な存在となることによって堪え忍ぶべく発明された、極めて素朴な飲料である。適量には個人差があり、従って度を過すと、その存在の不条理が世界の不条理を越えてしまう場合がある。この場合は、世界の方がその不条理の度を増すことによって、平衡を保とうとする。「おい、もう一本つけてくれ」「俺にも、もう一本」。(別役実) これを飲まないと、まるで人間ではないかのように珍しがられる液体。女、ギャンブルとならぶ、効果満点の家庭崩壊剤としても、よく知られている。(横田順彌) 錬金術時代には、賢者は腐った穀物や果実の中から揮発性の薬液を検出してアルコールと名づけた。消毒効果があるため、人々はこれを良薬と信じ、それが“毒をもって毒を制し”ていたのであることに気がつかなかった。 この毒液は水に混じり、誘惑の芳香を放つ。これを酒という。酒は精神の麻睡をもたらし、美女を幻出させるために、不美人の妻を持つ男は争ってこの毒に酔った。 ブドウを野に満たせた賢者は、バッカスという酒神をでっち上げて酒が百薬の長だと宣伝した。アルコールがなくては一日も送れぬ人間の増えるのを見てとるや、賢者は皇帝に酒税の特設を進言してその寵愛を得、酒が人の心をむしばむ頃を見計らって、更に禁酒法を提言した。このためギャングの跳梁する不法時代が出現したのは歴史に見る通りである。 ここにいう賢者が、悪魔の仮の姿であったことは、いうまでもあるまい。(安野光雅) 最近、アルコールが燃えるものであることを忘れた人間が、ふえつつある。 アルコールは、燃える気体という意味で、これをのむと食道はジューッと音をたてて焦げ、胃の中は焼けただれ、そこから立ちのぼる煙が脳にのぼって、煙探知機に働いて、消防署が呼び出される(なんか、おかしい)。ともかく、消防署は、あまり頻繁に呼び出され、水をかけさせられるので、アルコールを飲む前に水で割るよう行政指導した。水割はかくして誕生した。その日から、アルコールが気体を意味することを知るものは、大学出の中にも稀になった。日本では、アルコールは液体だと思われている。しかし、液体部分は水なのであり、アルコールは、その中にとけた青白い焔なのである。(なだいなだ) ぼくのもっとも嫌いな飲みもの。おおかたの男性にとっても同じだと思う。(日高敏隆) アハハ、私も大嫌いで〜す。ああ、饅頭が怖い。オチャケお代わり!! |
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○富田通信100号までの本の出版が少し遅れています。友人の山市君が専務をしている会社で作ってくれているんですが、校正、版組などの人件費すべて無料、紙代などの原価のみで応援してくれているんですから、急がしたら罰が当たります。予約を頂いている方には出来次第お送りいたしますのでもう少しお待ちください。 |
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