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「酒」の名言名句 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 それにしてもどうしてこちらに降る雪は「きれい」で、大都会に降る雪は「大変」なんでしょうね。 えっ、何の話かって? 失礼しました。某テレビ局の女性アナウンサーは朝のニュースでこちらの雪の映像を見て満面の作り笑いを浮かべながら「まあ、きれい!」。ところが、伊奈かっぺいさんの言葉を借りれば「こちらから見れば眉毛から落ちるフケ」ほどの雪が都会に降っただけで「大雪警報がでております。十分にご注意ください」と真顔で言うんですよね。 さらにあろうことか、教育関連のニュースになると「人の立場に立って思いやる心が大切ですね」と得意げにおっしゃる。・・・ほんとに人の立場に立つというのは難しいですね。 さてと愚痴はこれぐらいにして、今年最初の富田通信は「酒」にまつわる名言名句を「日本名言名句の辞典」小学館より拾い、ついでといっちゃなんですが私のひねくれた感想を書いてみました。 ○平素は渋いけど酒が入ると甘くなるというので、秋水先生に奉った綽名(あだな)が「渋柿」 荒畑寒村『寒村自伝』(昭和35年) 私が子どもの頃は学校の先生や同級生に親しみを込めてユニークな綽名をつけたものです。このごろ綽名がすっかり影を潜めてしまったのは差別撤廃教育が進んだためなんでしょうか。それとも人間関係が希薄になってしまったためなんでしょうかねぇ? ○あらゆる冒険は酒に始まるんです。そうして女に終るんです。 夏目漱石『彼岸過迄』(明治45年) そうなのかなぁ。私にはわかりません。女の人が酒を飲んだら何に終るんだろう??? ○酒の飲めない人は本当に気の毒だと思う。私からするならば、人生を半分しか生きていないような感じがする。 山口瞳『酒呑みの自己弁護』(昭和48年) エヘン。酒を飲み過ぎてすっかり記憶が飛ぶこともあるので、アタシャ人生四分の三は生きてるぞ! ・・・自慢にゃならないか。 ○私は、酒場で、水割りですかときかれたときには「酒を水で割って飲むほど貧乏しちゃいねえや」と叫ぶことにしている。 山口瞳『酒呑みの自己弁護』(昭和48年) ・・・。 ○ときには我を失うほど酔うことも人間の特権だ。 山本周五郎『ながい坂』(昭和41年) いつも使わせていただいておりますです。はい。 ○酒を飲みなさらんちうは不憫(ふびん)な御子(おこ)じゃ。ではまだ女の子のなさけも分るまい。 与謝野鉄幹『船路』(明治37年) ああ、私も明治に生まれたかった。・・・ゴメン。 ○いい酒が安くて幾らでも手に入り、貧乏人も酒だけは上等なのを飲むということであって始めて酒飲みという人種が出来るのである。 吉田健一『舌鼓ところどころ』(昭和33年) 昭和33年と比べれば、給料と比較して酒の値段は問題にならないくらい安くなり、生活も贅沢を極めているというのに、どうしてビールまがいの発泡酒や純粋アルコールを水で薄めた焼酎や合成清酒よりも安い清酒が売れるんでしょうね。経済効率を優先するあまり文化をどっかに置いてきてしまったんでしょうか。心の時代が叫ばれる今こそ、酒飲み人種の復活を! 乾杯!! |
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○もし私がサボらなければ、今年中になんとか富田通信100号までが本になりそうです。毎月一回、思いつくままに書きつづったものが一冊の本になるというのはうれしくもあるんですが、恥をさらすようでちょっと怖い気もします。 |
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