第165号(2001.6.10)
全国新酒鑑評会金賞受賞酒発表
 去る5月30日、独立行政法人酒類総合研究所(前国税庁醸造研究所)主催の平成12酒造年度全国新酒鑑評会の一般公開がありました。今年から出品制限枠を撤廃し、どの酒蔵も鑑評会に出品できるとあって全国から1133点もの出品がありました。その中から308点の金賞受賞酒が選ばれました。
 以下に今年の栄えある金賞受賞蔵をお知らせします。

東京都 嘉泉    
千葉県 百万両 梅一輪 かん菊 天乃原 福祝 稲花正宗
東魁盛
山梨県 七賢 福徳長 笹一
埼玉県 都鷹 武蔵鶴 武甲正宗 菊泉 日本橋 晴菊
寒梅 初緑
茨城県 松盛 副将軍 久慈の山 筑波
栃木県 澤姫 四季桜 杉並木 泉月花 惣譽 松の寿
東力士 福壽松乃井 開華
群馬県 稲のしずく 関東の華 船尾瀧 秘幻 誉国光 水芭蕉
日本譽
長野県 西之門 カルカヤ正宗 若緑 大信州 渓流 高井鶴
千曲錦 寒竹 明鏡止水 菊秀 福無量 秀峰キ久盛
姨捨正宗 本金 真澄 高天 夜明け前 信濃錦
信濃鶴 喜久水 善哉 廣田泉 美寿々 酔園
大雪渓
新潟県 越乃寒梅 越後杜氏 誉麒麟 越乃日本桜 越乃梅里 ふじの井
越乃八豊 初花 宝山 越後五十嵐川 萬寿鏡 美の川
吉乃川 越の鶴 長者盛 越の初梅 八海山 松乃井
妙高山 君の井 鮎正宗 かたふね 越路乃紅梅 謙信
雪鶴 月不見の池 大洋盛 〆張鶴 真野鶴 天領盃
大阪 國乃長 秋鹿 天野酒
京都府 月桂冠(昭和蔵・北蔵・大手一号蔵) キンシ正宗 英勲 松竹梅
京の酒城陽 富久娘 白嶺 梅門若竹
兵庫県 沢の鶴 富久娘 白雪(蓬莱2号蔵・富士山二号蔵・富士山三号蔵) 日本盛
白鶴(本店二号蔵・本店三号工場・旭蔵) 瀧鯉 福壽 大黒正宗
菊の日本 八重垣 龍力(尚龍蔵・親龍蔵) 奥播磨 天楽小鼓
千年一
奈良県 升平 吟和 八咫烏 豊祝 梅乃宿
和歌山県 功乃鷹
滋賀県 笑四季 香の泉
北海道 北の誉
宮城県 勝山 鳳陽  黄金澤 浦霞(本社蔵・矢本蔵) 両国
岩手県 あさ開 菊の司 月の輪 堀の井 七福神 岩手誉
関山 磐乃井 酔仙 千両男山 南部美人
福島県 大七 奥の松 笹の川 國権 花春 名倉山
榮川 末廣 会津宮泉 一生青春 会津清川 会津ほまれ
又兵衛
秋田県 高清水(御所野工場・中仙工場) 新政 秋田晴 太平山 北鹿
由利正宗  春霞  喜久水 刈穂  秀よし 奥清水
爛漫 一滴千両
青森県 金冠喜久泉 菊乃井 菊駒 桃川 陸奥男山  
山形県 出羽桜(本社工場・山形工場) 紅花屋重兵衛 銀嶺月山 あら玉 一声
上喜元 楯の川 栄冠菊勇 奥羽自慢 竹の露 出羽ノ雪
九郎左衛門 米鶴 一献醸心 酒中楽康
愛知県 清洲桜 神の井 長珍 國盛 尊皇幻々 長誉
孝の司 姫街道
静岡県 忠正 靜ごころ 英君 菊源氏 磯自慢 葵天下
出世城
三重県 出世鶴 喜代娘 天下錦 参宮 東海松
岐阜県 富久若松 女城主 久壽玉正宗 天領 飛騨自慢鬼ころし
石川県 宗玄(明和蔵・平成蔵) 手取川正宗 天狗舞 朱鷺の里  
福井県 常山 黒龍 越前岬 北の庄 白龍 わかさ
富山県 銀盤(第一工場・第二工場) 立山(第一工場・第三工場) なりまさ
広島県 八幡川 福美人 醉心 神雷 比婆美人
山口県 錦乃誉 東洋男山 金紋 長陽 長門峡 銀嶺
岡山県 きびの吟風 萬年雪 正義櫻 櫻芳烈 御前酒  
鳥取県 福寿海 陽気 まるひ此君 千代むすび
島根県 國暉 月山 美波太平洋 簸上正宗 ヤマサン正宗 世界の花
開春 宗味 環日本海 加茂福 池月 高砂
隠岐誉
香川県 楽心 金陵(琴平蔵・八幡蔵) 川鶴
愛媛県 久米の井 寿喜心 日本心 川亀 虎の尾
徳島県 瓢太閤 今小町 芳水
高知県 豊の梅 文佳人 玉の井 土佐鶴(天平蔵・千寿蔵)
福岡県 萬代 冨の寿 鷹正宗 福徳長 旭菊 しげます
雪乃花 九州菊
佐賀県 天山 万齢 能古見 東一
熊本県 美少年
大分県 久住千羽鶴 薫長 八鹿 和香牡丹


……… 編 集 後 記 ………
○本文では紙面の関係で書けなかったのですが、今年の全国新酒鑑評会で、いままでの鑑評会と変わった点を書いてみましょう。
 まず、本文でも書きましたように、どの酒蔵も全国新酒鑑評会に出品することができるようになりました。今までは各地方局の鑑評会が一種の予選のような役割を果たしていたのですが、今年から地方局の鑑評会が廃止になったためと思われます。
 第二に出品点数が増えると予想したためか(去年の全出品点数は879場、今年は1133場)、出品から結審までの期間が約40日と長くなりました。
 第三に前号の富田通信で書いたように、出品区分が、山田錦を主体にした酒とそれ以外の酒の二部に分けられました。今年の出品状況は山田錦主体が1059点、それ以外が74点でした。
 第四に酒蔵の製造担当者が審査員として参加しました。
 以上が主な変更点ですが、なにはともあれ、鑑評会がますます盛んになって、吟醸酒がよりいっそう発展することを願っています。
○アメリカから全国新酒鑑評会に合わせて日本酒をもっともっと深く理解しようという人たちがやってきました。アメリカで日本酒それも吟醸酒を扱っている人たちです。アメリカでは吟醸酒がものすごい勢いで支持され始めているんだそうです。6月1日、天童市の出羽桜酒造を見学したあと、パーティがあるというので、私もお誘いを受けました。その席上、吟醸酒を飲みかわしながらアメリカ一行の代表者クリス・ピアス氏といろいろと話しをしたのですが(エヘへ、もちろん日本語でですよ。ピアス氏は日本語が達者なのです)、吟醸酒にのめり込むきっかけは驚くほどお互いに似ていました。つまり、初めて吟醸酒を飲んだときのあの驚きと感激です。出会いの感動は人種に関係なく人を動かすものなんですね。私も初心に返って、私が味わったあの感動を少しでも多くの方々に伝え続けなければ。
○6月6日、山形県を含む東北南部が梅雨入りしたと発表されました。去年より3日、平年より4日早い梅雨入りだそうです。この雨の中、海に釣りに行ってきました。堤防でのヘチ釣り、ねらいはもちろんクロダイです。エサのイガイを堤防ぎりぎりに落とし込んでいくのですが、当たりはおろか、クロダイの気配さえもありませんでした。でもこのクロダイのヘチ釣り、こちらでは7月に入ってからが最盛期なのです。今は野球でいえば開幕前のキャンプといったところでしょうか。
 さて、開幕におくれをとらぬよう調整に励みましょう! ・・・エヘ



E-mail:tomita@vega.ne.jp ->メール