東北清酒鑑評会優等賞発表（00.11.28）

第159号（2000.12.10）

平成12年東北清酒鑑評会優等賞発表

　2週間ほど前、最上川沿いを車で走っていたとき、錦絵から墨絵に変わるつかの間のセピア色の風景に、奇妙な懐かしさと安らぎ、そしていいようのない美しさを感じ、思わず涙があふれてしまいました。とらわれることもなく、ただ飄々と移ろい行くものたちへの憧憬だったんでしょうか。それともただ単に歳のせいで涙もろくなっちまっただけなんでしょうかね。
　閑話休題。20世紀最後の富田通信。窓の外は吹雪だし、感傷に浸っている場合じゃありませんね。本題に入りましょう。
　11月28日に仙台国税局が平成12年の東北清酒鑑評会の優等賞を発表しました。わが山形県は吟醸酒の部で27場の優等賞(全体で80場)を獲得し去年に引き続きトップの座を占めました。
　以下に優等賞受賞蔵を発表します。

平成12年東北清酒鑑評会優等賞受賞蔵

【吟醸酒の部】

青森県	豊盃	桃川
秋田県	新政	秋田晴	高清水(本社工場・御所野工場・中仙工場)	新政
	銀鱗	秋田山	北鹿	白瀑
	由利正宗	天寿	飛良泉	刈穂
	秀よし	奥清水	かまくら	朝乃舞
	館の井	まんさくの花	爛漫	一滴千両
岩手県	岩手川	あさ開	菊の司	月の輪
	南部杜氏	岩手誉	関山	酔仙
	浜千鳥	南部美人
山形県	寿久蔵	千代寿	出羽桜(本社工場・山形工場)	あら玉
	朝日川	一声	十四代	手間暇
	花羽陽	初孫	上喜元	清泉川
	松嶺の富士	麓井	東北泉	菊勇
	奥羽自慢	竹の露	鯉川	くどき上手
	羽前桜川	羽陽錦爛	米鶴	東の麓
	酒中楽康	醸心
宮城県	勝山	浦霞	於茂多加男山	金の井
	一ノ蔵	蔵王
福島県	奥の松	雪小町	國権	名倉山
	会州一	真実	末廣(博士蔵・嘉永蔵)	一生青春
	夢心	蔵粋	会津ほまれ	自然郷

【純米酒の部】

青森県桃川駒泉真心

秋田県由利正宗飛良泉秀よし大納川両関

岩手県岩手川　　

山形県千代寿白銀蔵王　　

宮城県浦霞　　

福島県大七千功成藤乃井会津藩　　

編　集　後　記

○11月末から12月初めにかけて、偶然にも面白い本を2冊手に入れました。一冊は林秀彦著『「みだら」の構造』草思社、もう一冊は小松奎文編著『いろの辞典』文芸社です。「みだらの構造」が今年の10月、「いろの辞典」が今年の7月に発行されています。この2冊が間を置かずに発行されたということに偶然を越えたなにかを感じてしまいます。
　「みだらの構造」は、かつて日本人が太古より持っていた「みだら」に対する美意識や感性をキーワードにして日本文化の特質を明らかにした本です。この本によると日本語そのものがみだらなんだそうです。それはそうですよね。日本人がかつて「みだら」に美意識や感性を持っていたとしたらそれを表わすのは言葉なんですから。
　で、「いろの辞典」は日本語の中で今まで使われてきた「色」つまり色ごとに関する言葉を集めて解説した本です。いや、その数の多いこと、ほんとにびっくりします。
　「みだら」とか「色」とかいうと、眉をひそめる人が多いのですが、これらの本を読むといかにこうした考えが西洋思想に毒されたものかが分かります。
　今の日本社会の荒廃なんか、これらの本を学校の教科書にしたら直ちに回復するんじゃないでしょうかね。

○11月17日、東京で篠田次郎さんの吟醸酒セミナーがありました。その中で先月号の富田通信で書いた「陰暦の新嘗祭に吟醸酒で乾杯」が取り上げられ、来年、つまり21世紀から「吟醸新酒の日」を作ろうということになりました。日本吟醸酒協会が主体となって実行するようですが、実現するといいですね！

～～～～　商　品　紹　介　～～～～

出羽桜・新酒しぼりたて

入荷予定：１２月中旬～下旬

出羽桜詰め合わせ各種

上喜元・純米にごり酒

入荷予定：12月中旬　

初孫・吟醸初しぼり「星・夢きらめいて」

出羽桜「桜花吟醸酒　雄町(本生)」