第141号(99.6.10)

全国新酒鑑評会金賞受賞酒発表

 6月7日、山形県は梅雨入りしました。去年より4日遅く、平年より5日早いそうです。
 裏庭の柿は生い茂る葉の中に肉厚で乳白色の花を咲かせはじめ、ザクロは曇り空の中に鮮やかなオレンジ色のつぼみをふくらませています。
 さて、国税庁醸造研究所主催の全国新酒鑑評会の一般公開が、東広島市にある醸造研究所で5月14日に開かれました。
 今年は全国から選ばれた吟醸酒が878点出品され、その中で233点が金賞に選ばれました。
 以下に栄えある金賞受賞蔵を紹介します。

東京都 澤乃井    
千葉県 梅一輪 東灘 金龍稲花正宗
山梨県 笹一
埼玉県 金紋朝日 君が旗 晴雲 帝松 秩父錦 武甲正宗
  秩父晴菊(本社工場・肥土工場) 日本橋 亀甲花菱    
茨城県 月の井 松盛 助さん格さん 菊盛 住の江  
栃木県 澤姫 天鷹 忠愛 開華  
群馬県 関東の華 福達磨 君千代 赤城山
長野県 千曲錦 寒竹 亀の海 酒殿芙蓉 菊秀 福無量
秀峰喜久盛 姨捨正宗 真澄 黒松仙醸 木曽路 秀峰
アルプス正宗 高波 笑亀 美寿々 大雪渓 褒紋天領誉
新潟県 越の華 日本海 誉麒麟 菊水 越乃梅里 初花
越後五十嵐川 萬寿鏡 吉乃川 福扇 米百俵 八海山
スキー正宗 能鷹 加茂乃井 鮎正宗 雪中梅 謙信
〆張鶴 真稜 天領盃      
京都府 月桂冠(北1号蔵・北2号蔵・大手1号蔵) キンシ正宗 世界鷹 黄桜
黄桜(東山酒造有限会社) 福正宗 富久娘 梅門若竹 英勲
  菊富士          
兵庫県 月桂冠(灘蔵) 白雪(西宮工場蓬莱二号蔵・富士山二号蔵・富士山三号蔵) 日本盛
松竹梅 浜福鶴 白鶴(本店二号蔵・本店三号工場) 瀧鯉
  福壽 奥播磨 竹泉 天楽小鼓    
奈良県 升平 八咫烏        
和歌山県 日本城 黒松寿久 功乃鷹
滋賀県 松の司 多賀 七本鎗 萩乃露
北海道 国士無双
宮城県 鳳陽 宮寒梅  
岩手県 あさ開 菊の司 磐乃井 浜千鳥 龍泉八重桜  
福島県 奥の松 國権 花春 末廣 会津藩 一生青春
學十郎 夢心 会津清川 会津ほまれ 自然郷
秋田県 秋田山 天洋 北鹿 由利正宗 奥清水 朝乃舞
  一滴千両        
青森県 金冠喜久泉 鳩正宗 駒泉真心 八鶴 菊駒  
山形県 壺天 出羽桜(本社工場・山形工場) 一声 初孫 上喜元
栄冠菊勇 奥羽自慢 羽前白梅 米鶴 東の麓  
愛知県 清洲桜 長珍 四天王 國盛 敷嶋 白老
  神杉 尊皇 孝の司 菊の世 四海王 四海王
静岡県 萩錦 静ごころ 磯自慢 志太泉 開運
三重県 鈿女 初波 白梅 黒松翁 俳聖芭蕉 東海松
  参宮 瀧自慢        
岐阜県 長良川 光琳 篝火 美濃菊 花美蔵 白真弓
石川県 福正宗 菊姫 弁慶      
福井県 真名鶴        
富山県 銀盤 若鶴 連連峰 立山(第一工場・第三工場)
広島県 宝永鶴 賀茂鶴(2号蔵・8号蔵・御薗醸造蔵) 一代 雨後の月
旭鳳 喜美福 白牡丹(天保庫・千寿庫) 西條鶴 酒宝 旭菊水
山口県 五橋  
岡山県 櫻室町 酒一筋 正義櫻 神露    
鳥取県 君司 日置桜 元帥 八潮 山陰 東郷 鷹勇
  千代むすび          
島根県 國暉 月山 美波太平洋 簸上正宗 絹乃峰 加茂福
玉櫻 宗味        
香川県 樂心 川鶴 金陵(琴平蔵・多度津工場八幡蔵)
愛媛県 雪雀 梅錦  
徳島県 芳水  
高知県 土佐鶴        
福岡県 萬代 喜多屋 雪乃花  
佐賀県 天山      
長崎県 福鶴
熊本県 美少年  
大分県 銀蝶  
宮崎県 綾錦  

……… 編 集 後 記 ………


○6月に入って一年数カ月ぶりに風邪を引いてしまいました。初めは軽いのどの痛みだけでたいしたことはないだろうと高をくくっていたのですが、だんだん鼻がつまってきておまけに咳まででるようになってしまいました。しかも悪いことに熱がでないから、風邪のせいにして寝るわけにもいかない・・・。それに今の時期は各種の総会やら学校行事やらで飲み会が続くんですよ。これじゃ、風邪だって治るわけがない。
 昔から「夏風邪は馬鹿しか引かない」といわれていましたが、まったくその通りですね。

○今回、風邪を引いて、わかったことがひとつ。鼻がつまって嗅覚がすっかりダメになってしまったのですが、匂いがわからないと味もわからないんですね。いや、正確に言うと複雑な味がわからないんですよ。甘さ、塩辛さ、酸っぱさなどのほんとうに単純で基本的な味は舌で感じることができるのですが、例えばコーヒーと紅茶の味が区別できないのです。
 嗅覚というものは私たちが味覚と思っているもののかなりの部分を占めているのではないかと思います。もっとも、風邪で舌の感覚もやられている可能性もありますので結論を出すのは早いような気もしますが・・・。
 いずれにしても、味というのは嗅覚や味覚、それにおそらく視覚や聴覚や触覚も総動員されたところで感じる大変に高度な感覚なんでしょうね 。
 あああ、一日も早く風邪が治ってまたあの吟醸酒の美味しさを味わいたいものです。・・・乾杯!

○先日、富田通信ホームページをボランティアで作ってくれている友人の山市くんから、思ってもみないような話が舞い込みました。なんと富田通信を本にしないかというのです。彼は北海道紋別市で株式会社ソーゴーという印刷会社の専務をやっているんですが、あまりの突然の申し出に戸惑ってしまいました。
 皆さんご存じのように「富田通信」はその大部分が他の本からの抜き書きなんですよね。いくら本文の中で「〜さんの本から書いてみましょう」なんて断わりを入れてても、本にするとなると著作権の問題で引っかかるんじゃないかと・・・。それに第一、年中金欠病に罹っている私としては、富田通信を本にするお金なんてどこを探したって見つかるはずもない。
 で、そのことを彼に話したら、著作権のことは贈呈本にすれば問題ないだろうし、出版費用はすべてうちの会社が持つというんですよ!
 なんだか夢のような話ですが、とにかくその打ち合わせに、彼が出張で山形市に来るこの19日に十数年ぶりに会いに行ってきます。




E-mail:tomita@vega.ne.jp ->メール