第134(98.11.10)


商人(あきんど)名語録

 11月も10日を過ぎようというのになんとも暖かな晩秋です。家の回りの木々の葉は、朝晩の冷え込みが足りないためか、赤くもなれず茶色に変色しています。つい三日ほど前の朝、強い西風に混ざってかすかに雪の匂いがしたのですが、それもそのとき限り・・・。今年の初雪は遅そう。

 先月の中頃、新庄の代表的な企業である最北精密という家具製造会社が倒産してしまいました。婚礼家具がメインだったためこの不況のあおりをもろにくらってしまったのでしょう。今年の冬はいつになくきびしい冬になりそうです・・・。

 なぁんて、愚痴を言っていても始まりませんので、今回の富田通信は自分を元気づけるためにも、永六輔さんの「商(あきんど)人」岩波新書から、言葉をご紹介します。この中に出てくる言葉は実際の商人が言ったり書いたりしたものを永さんが拾ったものです。
 なんてったって、この本の最初の言葉が

「お待たせしました。
 まもなく倒産です」
なんですから、元気の出ること請け合いです。それでは参りましょう。


「商品を紙で包まないでさ、
 言葉で包めばいいんだよ」

「売場を拡げると品数が増えます。
 品数が増えると、質にかかわっていられなくなります。
 そういう店が増えました」

「祭からテキヤさんを排除したんですよ。
 そうしたら数年もしないうちに、祭がさびれてしいました」

「宣伝はお客様のして下さるもので、
 自分でするものじゃありません」

「農作物も、ブルセラも、
 作った人、使った人の顔が見えるものが、高く売れるんです」

「マグロを喰いますね。
 そのマグロを釣った漁師は金を受けとります。
 運んだ奴も金をとります。
 市場でも金が入りますよ。
 われわれ板前も、料理をして金をいただくのが商売。
 お客さんは喰うんだから別として・・・
 マグロ自身は一銭もとっていない!
 これが、どうも腑に落ちないんだ」

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「もれない、むれない・・・
 結構な商品ができたもんだ。
 でも、そんなおむつで育つから、
 自分の環境に気のつかない奴になるんだよ」

「商店街だけじゃありません。
 農業、林業、みんなつらい仕事は後継者不足ですね。
 楽な仕事なら後継者はいまっせェ、
 ・・・たとえば政治家とか、タレントとか」

「街を歩いているとティッシュペーパーを配っている国なんて、世界中にありません」

「アメリカが和牛を輸入して、アメリカ和牛の生産をしています。
 和牛でなくても、日本が成牛を輸入して肉にすると、
 その肉は国産牛になります。
 これは野菜の世界でもよくある話です」

「商品はカネというのが、証券、手形、相場・・・
 紙一枚をアッチへ動かし、コッチへ動かし、
 結局それがいちばん儲かる商売というのがわかっちゃったからね。
 そのピンをハネるのが総会屋で、後始末は国会で・・・商売やってらんないよ」

「公的資金投入の申込書をください」


… 商 品 紹 介 …

出羽桜『大古酒 枯山水』

 マイナス2℃で熟成させた本醸造・三年古酒「枯山水」が入荷しました。

 サラリとした上品な熟成味は、毎年多くの酒通をうならせています。
 「燗上がり」する酒で、お燗をするとその味わいがさらに柔らかに優しくな り、お燗の苦手な人にも、お燗の素晴らしさがお分かり頂けると思います。

内容:度数/15.5%  酸度/1.3cc
   日本酒度/+5

   米・精米歩合/麹米・美山錦 55%
   掛米・雪化粧 55%

1.8L  2945円(税別)



… 商 品 紹 介 …

出羽桜吟醸生酒「水面音(みなもね)」

 もっと日本酒を身近に感じて欲しい。もっと手軽に良い酒に触れて欲しい。そんな思いがこんなに素敵なお酒になりました。ちょっとやさしい吟醸酒。 気軽に買って、気軽に飲んでもらえるリーズナブルプライス。吟醸酒の歴史を造り続けている出羽桜が新たな歴史の扉を開きます。
内容:日本酒度 +5 酸度 1.2
   アルコール度 13.8% 原料米 こうじ
   出羽燦々(山形県産酒造好適米)
   掛  米 美山錦
   精米歩合 55%  使用酵母 小川酵母

300ml  380円(税別)
1.8L  1950円(税別)

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本の紹介

新まんが日本酒教室

「清酒は日本酒か」高瀬斉著

おいしい日本酒を心から愛する高瀬さんが、低迷する日本酒業界に活を入れ、今後進むべき道をきびしく、そして楽しく提案しています。また、日本酒の歴史や知識など内容も豊富でお薦めの一冊です。

¥1100(税別)
※高瀬さんの直筆サイン入りを当店で売っております。よろしかったらお求め下さい。




編 集 後 記

○堤防の際をねらうクロダイのヘチ釣り。今年の6月から始めたのですが、現在までの釣果は9月に釣った42センチのクロダイ一匹だけ。でも、そのときの感触はいまでも体にしっかりと残っています。さてと、釣りに行くか!

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