第131号(98.08.10)


クイズ! お酒ゼミナール

 残暑お見舞い申し上げます・・・本来ならこの決まり切った言葉になんの違和感もおぼえないのですが、今年は何となく使うのがためらわれます。

 7月中旬頃まではカラリとした秋のような気候で空には赤トンボが舞い、林ではヒグラシが鳴いていました。下旬になって蒸し暑い梅雨空になったのですが、今度はその梅雨がいまだにあけません。
 8月4日の晩には庭でウマオイが鳴き始めました。ギラギラした太陽を見ないうちに早くも秋の気配です・・・。
 さてと、いつまでも天気を愚痴っててもしかたありませんので、本題に入りましょう。8月の富田通信は恒例のお酒ゼミナールです。
 今回はとってもおいしいプレゼントも用意しました。はりきって参りましょう!

【問題1】原料を発酵させてそのまま飲むお酒を醸造酒といいますが、世界の醸造酒の中で最もアルコール度数が出るのはどれでしょうか。

 (1)日本酒
 (2)ワイン
 (3)ビール


【問題2】ワインにコルク栓がしてあるのはなぜでしょうか。
(1)びんの中のワインは生きているので、外の空気を呼吸しやすくするため
(2)びんの中のワインを外の空気と完全に遮断するため
(3)たんなる見栄えのため

【問題3】ウイスキーやブランデーを樽で長期間熟成させていると、樽の微細な木目から少しずつ蒸発していき中身が減ります。この蒸発し減った分を“天使の分け前”と呼びますが、では、残った中身のアルコール度数は?
(1)変わらない
(2)アルコール度数が低くなる
(3)アルコール度数が高くなる

【問題4】プレゼント付き問題です!
宅急便のクロネコヤマトのコミュニケーション紙「クロネコだより」8月号に載っていた問題です。ちょっとひねった問題ですが頑張って考えてください。『25階建てのビルがあります。エレベーターで1階から5階まで昇るのに5秒かかりました。
これと同じ速さで1階から25階まで昇るのに何秒かかるでしょうか』
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…… 商 品 紹 介 ……

最上川『酔郷セット』

 新庄の最上川酒造さんが冷酒のセットを発売しました。内容は、純正山形酒・純米吟醸DEWA33『北国浪漫』と本醸造生酒(原酒)のセットです。

 柔らかで巾のある北国浪漫は冷やして、本醸造生酒はアルコール度数が高いのでオンザロックでお楽しみください。

300ml×5本(北国浪漫3本・本醸造生酒2本)
 3,200円(税別)





……… 編集後記 ………
○7月9日、東北銘醸(初孫)、麓井酒造の両会長でありました佐藤長助さんが亡くなりました。82歳でした。生前に一度お話を伺ったことがありますが、吟醸酒にかける熱意には圧倒されました。葬儀が終わって、外にでたときの青空が、なんともいえず悲しかったです・・・。

○新庄は月遅れの七夕ですが、なんと織り姫星(琴座のベガ)が毎夜、新庄の真上を通過しているんだそうですよ。ベガの赤緯が、国内で唯一、新庄市の緯度とほぼ一致しているためだそうですが、年に一度しか逢うことを許されない彦星に申し訳ないような気がします。

○店の前が下水道工事で暇なため、クロダイ釣りのエサ箱を作りました。材料は水に強いというヒバの余り材を知り合いの製材所でもらってきました。それをノコギリとカンナでせっせとエサ箱にあう厚さにし、完成したものが写真です。
ただ、最後のバンドに取り付けるための金具を加工しているときにドジを踏んで指を切ってしまいました。治るまで一週間余りかかってしまいましたが、その間、釣りにも行けず。・・・釣りに行くためにこしらえたエサ箱がもとで、釣りに行けないなんて、なんとも間の抜けた話です。

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…… 解答と解説 ……

【問題1】(1) 正解は日本酒です。これは発酵方法の違いからくるものといわれています。アルコールは糖分を酵母が食べてできることはご存じのことと思います。ワインはブドウにはじめから糖分がありますし、ビールも先ず、麦汁という甘い汁を作ってから発酵させます。ところが日本酒だけは米のデンプンを麹が糖化しながら並行的に酵母がその糖分をアルコールに変えていくのです。酵母はやがて自分の作ったアルコールで死んでいくのですが、日本酒は少しずつ糖分が供給されるためアルコールも少しずつでき、ちょうどぬるめの風呂に入り徐々に沸かしてもらった方がいきなり熱い風呂に入るのよりも耐えられるように、結果的に酵母が高濃度のアルコールに耐えるのです。また、麹も酵母を守る物質を出すことも一役かっています。

【問題2】(2) ワインは生きているなんて聞くと(1)が正解だと思いがちですが、(2)の外気と完全に遮断するためが正解です。それが証拠に熟成の必要な高級ワインほど長いコルク栓を使っていますし、さらに念の入ったものはコルクで栓をした上からロウで密封してあるものもあります。ワインの保管に一定温度が必要なのは、温度変化によりワインが膨張・収縮を繰り返すことでびん内に強制的に空気が入ってしまうのを防ぐためです。


また、ワインを寝かせておいてあるのもコルクの乾燥を防ぎ、空気の流入を防止するためです。ワインはびんの中にあるわずかの空気で熟成します。

【問題3】(3) アルコールの方が水より蒸発しやすいのですが、水よりも分子が大きいため、樽の微細な木目を通り抜けにくいのです。その結果、アルコールよりも水の蒸発が大きく、アルコール分が高くなります。

【問題4】答えとその理由を書いて、ハガキかE-メールで富田酒店までご応募ください。正解者の中から抽選で2名の方に以下のプレゼントを差し上げます。応募締め切りは8月末日とさせていただきます。

○プレゼント商品
 
紋別牛のスモーク・ジャーキーと
        サーモン・ジャーキー

 北海道紋別市の薫製職人・安倍哲郎さんが丹誠込めて作り上げた、一切の食品添加物を排除した逸品です。おいしいですよ!!

 〒094-0002 北海道紋別市真砂町2-2-15
         Tel/Fax 01582-3-3615
 有限会社 ヒューモアール  
 代表取締役職人 安倍哲郎
 HP:オホーツク燻製工房
 
URL http://www.muratasystem.or.jp/~t-abe/

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E-mail:tomita@vega.ne.jp ->メール