風薫る5月!っと書き出したいところなんですが、今年は4月から気温が高く、ただでさえ大急ぎで通り過ぎていく新庄の春がそれこそ全力疾走で駆け抜けていきました。 |
この貯蔵された酒の品質を調べるために、時々タンクの呑口(のみくち、後述)から酒を取り出して鑑定することを呑切、最初の呑切を初呑切といいます。 初呑切は酒造りが終わってからの酒蔵の最初の行事です。梅雨明けのこの日早朝から、杜氏、蔵人、主人、技師などが集まって、貯蔵タンク一本一本呑口から酒を取り出して検査をし、さらにきき酒をおこないます。
呑口 |
||
|
不思議なことといえば、もう一つ。酒を造り、貯蔵するタンクにはなんと呑口が二つあります。タンクの一番下に一つと、その斜め上30センチばかりのところにもう一つ。上の呑口を上呑(うわのみ)、下を下呑(したのみ)といいます。 どうして酒を出す穴が二つもあるんでしょう。結論を先に言ってしまえば、オリ引きをするための昔の名残です。 仕込みタンクの中のモロミを搾って貯蔵タンクに入れる。搾ったばかりの酒は薄く濁っています。これを静置しておくと、上部の9割はすっかり透明になります。下の1割は濁りが濃くなります。この部分を「オリ」といい、上の方を澄ませることを「オリ引き」といいます。 |
| |||
|
| |||||||||