10月27日、新庄は去年より17日も早く初雪が降りました。その日のNHKの全国版の天気予報で新庄に初雪が降ったことをいってましたので、ご覧になった方もいるかと思います。「まったぐ新庄だば、ゆぎのごどですか、全国版のニュースになんねにやぁ。ほんて、やんだぐなるにやぁ。」(全く、新庄は、雪のことでしか、全国版のニュースになりませんねぇ。本当に、いやになりますねぇ)と愚痴を言いながらテレビを見ていたのですが、初雪の早い年は、雪が少ないそうです。・・・期待しましょう。 「もと」という字を漢字で表わすと酉偏に元と書きますが、漢和辞典に載っていません。もちろんJIS第1・第2水準の漢字の中にもありません。 |
酒母の造り方には二つの流儀があります。一つは、古来からの「生もと」の流れをくむものと、明治の終わりに合理化された「速醸もと」です。 それでは、生もとから説明しましょう。 | |
まず、十分に冷やした蒸米と麹、仕込み水とを6~7℃くらいの低温で仕込みますが、最初は三者を8等分して、それぞれを「半切り」とよばれるたらいのような浅い桶に入れ、3、4時間おきにすり潰します。この作業をもとすり、または山卸しといいます。次に、半切りの中味を順次合わせていき、酒母タンクに移してからも低温に4~5日保ち、それから暖気 入れといって、熱湯を入れた樽を酒母タンクに挿入して、温度を一日1℃位ずつ上げていきます。これを10日間くらい続けている間に、よい酵母だけが育つ培地ができるのです。 なぜなのでしょうか。そこには、見事なまでの生物遷移を見ることができます。 生もとは、まず6℃くらいの低温で仕込みますが、この低温が野生酵母などの活動を抑えておきます。数日の間に、仕込み水からくる低温で活動するシュードモナスや水棲細菌、麹からの産膜酵母などの硝酸還元菌が動きだして、仕込み水に含まれている硝酸塩を還元して亜硝酸を生成します。一方、乳酸菌も低温性の菌が働いて、乳酸をつくりだします。すると亜硝酸と乳酸の共同作用で、野生酵母が殺されます。 |
ところで酵母は、酸性に対しては滅法強いのです。こうしてよい酵母だけが選択的に培養されるのです。 速醸もとによる酒母づくり なお、「山廃もと」というのは、生もとづくりのもとすりをしないもと、つまり山卸し作業を廃止したもとのことで、速醸もとの考案と同じ頃に、嘉儀金一郎氏が考案しました。味の個性は「生もと」が一番強く、ついで「山廃もと」、「速醸もと」の順でしょうか。 酒母によってもお酒の味は、グ~ンと広がるんですよねえ・・・乾杯。 | |
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※上記2冊は、当店でも売っておりますので、よろしかったらお求め下さい。なお、当店の「味よし酒よし人もよし」は、著者の高瀬斉さんの直筆サイン入りです。
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