あられが降り、天気予報に雪だるまのマークが出るようになりました。最低気温が0℃を割る日も現れ、家の雪囲いの準備も終わりました。もうすぐ冬です。 こう寒くなってくると、鍋が恋しくなってきますよね。冷たく冷やした吟醸酒で鍋というのも捨てがたいですが、たまには燗酒も趣があって中々にいいものです。 今から20数年ほど前、日本酒が「ポン酒」と若者に蔑まれた時代がありました。その若者の日本酒離れにいっそうの拍車をかけた一因にお燗があると思います。当時の日本酒はそのほとんどが甘くてベタベタしていましたし、お燗をすると匂いとともに更にそれが強調されて・・・私も大嫌いでした。 |
世界広しといえども、酒を暖めて飲む習慣があるのは日本と中国だけだそうです。確かに、欧米などでも赤ワインを暖めて飲む場合がありますが、それはあくまで冷えきった身体を暖める場合とか風邪の時とかに限られ、酒をおいしく飲むために暖めるのとは違います。 日本人が酒をお燗して飲み始めたのは、平安時代頃といわれています。その当時は燗という言葉を使わずに「あたたむ」と言っていました。これは恐らく中国の詩人、白楽天の「林間に酒を煖めて(あたためて)紅葉を焚く」から来たものでしょう。 してみると、お燗の風習は中国からはるか昔に日本に伝わって来たもののようです。 これから寒くなる一方ですが、日本に伝わる素晴らしい風習であるお燗を、鍋を囲みながら「燗上がり」する酒で一杯というのも中々に風情がありますねぇ・・・乾杯。
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