線路沿いのススキが風に揺れ、台所の片隅にスイカが恨めしそうに転がっています。新庄祭りの終わりとともに、秋がやって来ました。 頭を垂れた稲穂は黄金色の輝きを増し、今月中旬からの刈り取りを待っています。私も5月に「田楽・山楽inかねやま」で植えた、酒造好適米・出羽燦々を刈り取りに14日に金山町に行ってきます。 そこで、今回の富田通信では、酒と米の関係について書いてみたいと思います。 私たちがお米屋さんで米を買う時、自分の好みに合った米を選びますよねぇ。粘りがあるとか、噛んだときの弾力があるとか・・・、つまりは、食味が良いといいますか、美味しい米を選ぶわけです。 では、酒造りに使う米はどんな理由で選ばれるのでしょうか。やっぱり食べて美味しい米から、美味しい酒ができるのでしょうか? 結論を先に言ってしまいますと、酒造りにおいては、食べて美味しいかどうかはあまり問題ではなく、酒を造りやすいかどうかによって選ばれます。日本酒の場合は、ワインと違って、米の味そのものが酒質を左右するということが非常に少ないためです。味よりも米の持っている性質によって選ばれます。 旨い酒を造りやすい性質を持った米を酒造好適米といい、山田錦、美山錦、五百万石、雄町などがあり、現在約40品種が認定されています。 |
(2)脂肪が少ない。 (3)大粒である。 (4)心白率が高い。 (5)精米が容易である。 | |
(7)麹が造りやすい。 (8)酒母やもろみの中での溶解が良い。 (9)蒸米が外硬内軟である。 (10)カリウム等のミネラルが適量含まれている。 |
ただ、理由は分かりませんが、春にできた吟醸酒が秋になると、食用米で造ったものより酒造好適米で造ったものの方が味が良くなるのも事実です。 酒と米の関係は、まだまだ分からないことの多い不思議な関係なのです。
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