第101(96.02.10)


純正山形酒、DEWA33誕生

 今年の新庄は、20数年前の雪の多かった昔に返ったよう。5日間も吹雪が続き、積雪も一時150センチを越えました。屋根の雪下ろしで手のマメは潰れ、その下にさらにマメが出来ました。毎日、雪に遊ばれております・・・。

 さてこの度、原料米・酵母・麹菌・水がすべて山形産という、純正山形酒、DEWA33の発表会が1月18日、山形のメトロポリタンでありました。私も参加しましたので、その時のことをおりまぜながら『DEWA33』を紹介したいと思います。

DEWA33とは

 DEWA33とは、日本酒の4大原料つまり米・麹菌・酵母・水のすべてが山形オリジナルの純米吟醸酒です。現在30の蔵元が造っていますが、年内にあと13社が参加します。出来た酒は、審査委員会にかけられ、合格した酒だけが、DEWA33と名乗ることができます。 1月18日の発表会には、25社の酒が出品されました。すべてを味わってきましたが全体的な印象は、香りが高く、やさしく、巾のある素晴らしい純米吟醸酒でした。もちろん、蔵ごとの特徴はしっかりとあって、けっしてどの蔵元の酒を飲んでも金太郎飴ということはありませんでした。さすが、山形ですね。それに、何より値段が安い。この値段で採算が合うのかしらんと、ひとごとながら心配になります。


 このように、良いことずくめのDEWA33ですが、一つだけ難点があります。それは、生産量がとても少ないということです。発売元年の今年、原料米が少なかったためです。あと2年もすれば充分な量が出来るとのことですので、それまでは、品切れなどが生じると思いますがご容赦ください。

 それでは以下に米等について簡単に説明します。


○純米吟醸酒「DEWA33」の名前の由来

 山々に囲まれた山形県には多くの名山があります。最高峰は鳥海山(2237m)、2000mの高さまで6山、標高1400mまでですと、県内全域に渡ってちょうど33の峰々が数えられます。それらの山々から流れる豊富な伏流水により良質の酒造用水が得られます。

 DEWAは「出羽」、33は「山々」または「燦々」に由来します。

○酒造好適米「出羽燦々」

 山形県農業試験場が11年の歳月をかけて、山形独自の、そして酒造りに適した米である「出羽燦々」を生み出しました。出羽燦々は心白率(米の中心部にある白く不透明な部分の割合)が美山錦より高く、大粒の米です。

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○麹菌「オリーゼ山形」

 日本酒の品質に大きく影響を及ぼす麹菌も、山形県工業技術センターが麹菌メーカーと共同で開発しました。この麹菌は山形オリジナル麹菌「オリーゼ山形」と名付けられ、巾のある酒を造るのに大きな役割をにないます。


○吟醸酵母「山形酵母」

 山形県工業技術センターが試行錯誤の結果、素晴らしい酵母を発見し、現在「山形酵母」と呼ばれるようになっています。この酵母の使用により、各種鑑評会での入賞が飛躍的に増してきました。


○酒造用水

 日本酒のもう一つの重要な原料が水です。山形県の酒造用水は県を囲むようにしてそびえる山々に源を発する水系に属し、それぞれの水系ごとに豊かな個性を発揮しています。この異なる水質の水を使用して、各社の個性が発揮されたさまざまなバラエティーを持つ酒が造られるのです。


 以上でDEWA33の説明を終わりますが、最後に山形県出身の作家、井上ひさし氏の文を紹介して締めさせて頂きます。

 それでは、素晴らしい純米吟醸酒、DEWA33の誕生に乾杯。




『下戸ではありますが』   井上ひさし

「日本酒の4大原料とは米・水・麹菌・酵母のことだ───ぐらいは、いくら下戸の僕でも知っている。しかしこの4大原料を山形県内産だけで賄った吟醸酒ができた、それも11年の歳月をかけて───と聞いて心ときめくものがあった。県内には数多(あまた)の秀峰があり、そこに降った雨や水を海へ導く幾筋もの清流があり、それらの流れが質のよい米を育てていることを僕は知っている。この酒を一度(ひとたび)口に含むならば、山形の山と川と田が一挙に口中によみがえるはず。

 よし、これからは酒呑みになろうか。僕はいま、そう考えているところだ。」

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…… 商 品 紹 介 ……

純米吟醸生酒DEWA33
 麓井・DEWA33圓

精米歩合55%以下 度数15. 0〜15. 9
酒度+2 酸度1. 3

720ml \1,300
 出羽桜・DEWA燦々誕生記念酒

精米歩合50% 度数15〜16
酒度+4 酸度1. 4

 ※入荷予定2月20日 1. 8L \2,850
最上川・北国浪漫DEWA33

精米歩合55% 度数17. 8(原酒)
酒度+3 酸度1. 5

720ml \1,500
 栄光冨士・古酒屋栄光冨士DEWA33

精米歩合50% 度数15. 5
酒度+2 酸度1. 3

720ml \1800
 ※各社とも生産量が少ないため品切れの際はご容赦下さい。

第8回『名酒を楽しむ集い』

 主婦と生活社刊の96年版「日本酒銘鑑』に当店の『名酒を楽しむ集い』が紹介されました。これも皆様のお蔭です。有り難うございました。

 さて、今年も下記要領で『名酒を楽しむ集い』を開きます。今回は岩手県の「浜千鳥」、島根県の「李白」も交え5種類の大吟醸で、つたや本店の素晴らしい懐石を楽しみたいと思っております。ぜひ、ご参加下さい。

 なお、定員になりしだい締め切らせて頂きますのでご了承下さい。

日時 平成8年2月24日(土)

   受付/午後6時  開宴/午後6時30分
会場 つたや本店 市内常葉町3-25 tel22-0434
会費 8,000円
定員 25名
主催 富田酒店
協賛 つたや本店

※参加申し込みは富田酒店までお願い致します。

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