新年明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。 去年のクリスマス前に70センチ程積もった雪も、暖冬とやらでだいぶ少なくなってきました。今日はまた何日振りかの青空で、気持ちの良い一日です。 今回の富田通信は、新年のご挨拶にかえまして、私事で恐縮ですが私の吟醸酒との出会いなどを書いてみたいと思います。 私が吟醸酒という酒に初めて出会ったのは、昭和50年代前半のことだったと思う。白状すると私は酒屋のくせに日本酒が大嫌いだった。甘くてベタベタするし、お燗でもしようものなら匂いが鼻についてますます飲めない。 だから、出羽桜酒造さんが「これ、飲んでみませんか」と差し出した一升ビンにも、それほど関心が向かなかった。私がその酒を勧められるままに口にしたのは、商売上の義理もあってのことだった。 |
その繰り返しの中で私は、吟醸酒造りに命を懸ける男たちの存在を知った。彼らこそ杜氏を頭とする蔵人である。彼らは吟醸酒造りに入ると、それこそ寝る間も惜しんで酒造りに専念する。杜氏さんは、何キロも体重が減るという。 吟醸酒は、ちょうど母親の体内で胎児が育つように、ゆっくり、ゆっくり、大事に育てられる。吟醸酒が醗酵タンクから搾られる時も、出産に似ている。出産予定日に生まれるとは限らない。杜氏はモロミを注意深く見守り、今を逃さず搾る。 こうして生まれた吟醸酒は、何とも不思議な力を持つ。何故か人の心と心とを繋ぐのである。まったくの見ず知らずが、いつの間にか旧知の友のような仲になってしまうのである。 吟醸酒には、心を和ませ、素直にさせる力があるのかもしれない。まさにロマンの酒である。 |
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酒の情報誌「びくん」の全国の酒販店が選んだ人気銘柄の吟醸酒部門で、出羽桜酒造がなんと7年連続の日本一です。ほかにも山形県の健闘が光ります。
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順位 |
銘柄 |
得点 |
県名 |
11 |
満寿泉 |
1,580 |
富山県 |
12 |
天寿 |
1,410 |
秋田県 |
13 |
天狗舞 |
1,300 |
石川県 |
14 |
米鶴 |
1,210 |
山形県 |
15 |
黒龍 |
1,000 |
福井県 |
16 |
満寿鏡 |
920 |
新潟県 |
17 |
玉乃光 |
870 |
京都府 |
17 |
石陽日本海 |
870 |
島根県 |
18 |
諏訪泉 |
810 |
鳥取県 |
19 |
雪雀 |
790 |
愛媛県 |
20 |
梅の宿 |
720 |
奈良県 |
21 |
米百俵 |
700 |
新潟県 |
22 |
清泉 |
650 |
新潟県 |
23 |
白瀧 |
630 |
新潟県 |
23 |
銀盤 |
630 |
富山県 |
24 |
七福神 |
600 |
岩手県 |
25 |
山鶴 |
540 |
奈良県 |
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「天盃富士」さんが「松嶺の富士」に名前を変えました。山形県の庄内地方の松山町にある小さな酒蔵ですが、亥年生まれの若い社長が張り切ってやっております。『香雲』は山田錦の精米歩合35%の大吟醸で、フルーティな香と豊かな味わいが売り物です。 |
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ラベルに松山町出身の佐藤公紀画伯の美人画をあしらった純米吟醸『秘めごと』。美山錦の精米歩合50%の味わいは、まるで雪国の清楚な女性を思わせます。 |
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東海道五十三次のお膳と雪見酒 |
今回の『名酒を楽しむ集い』では、割烹料亭「つたや本店」さんのご協力により、「つたや本店」秘蔵の東海道五十三次のお膳を使わせて頂くことになりました。 このお膳は二の膳つきで、色漆を塗り重ねたものを彫って、広重の東海道五十三次の名画を描き出したという、大変貴重なものです。 |
日時:平成7年2月18日(土) 受付:午後6時 開宴:午後6時30分 会場:つたや本店 新庄市常葉町3−25 tel 22-0434 会費:7,000円 定員:53名(定員になりしだい締め切らせて頂きます) 主催:富田酒店 協賛:つたや本店 ※酒リスト/出羽桜(雪漫々、春の淡雪)栄光冨士(秘蔵酒、雪の降る町を)樽平(雪むかえ亀の尾大吟醸)他 ※お申し込みは、つたや本店か富田酒店までお願い致します。 |