第82号(94.07.10)


夏本番、生酒一番!

 灰色の梅雨空に、まるで蛍光のオレンジをちりばめたように、ざくろの花が咲いています。
 うっとうしい雨の季節もあとわずか。いよいよ夏本番ですね。夏といえば、やっぱり冷た~い生酒が一番! そこで今回の富田通信は生酒の魅力について書いてみましょう。


古くて新しい生酒

 生酒の魅力は何といっても、フレッシュで爽やかな味わいと、華やかな香りにあります。
 この“生酒"、室町時代以前はごく普通の酒でした。  当時は火入れ(酒を65℃前後に加熱し、殺菌するとと もに、酵素の働きも止める)の技術が無かったため、酒 の貯蔵ができず、そのとき飲む分だけ造っていました。
 室町時代に入って火入れの技術が発見され、江戸時代に寒仕込み(冬の寒い時期だけ酒を造る)が定着すると、貯蔵のできない生酒は、ほとんど姿を消してしまいました。


 ところが最近、醸造技術の進歩と冷蔵輸送、冷蔵保管ができるようになったおかげで、この“生酒"が気軽に味わえるようになりました。
 まさに、古くて新しい酒『生酒』の復活です。

生酒の美味しい飲み方

 ♪酒に氷を入れて飲むのが好き♪という中島みゆきの歌があったと思いますが、グラスに氷をいれて、冷たい生酒を注いで飲んでみて下さい。生酒本来の風味を残したまま、アルコール分が薄まりますので、のどごしがいっそう爽やかになり、熱い夏の日に最適かと思います。

 もちろん、氷なしで、冷やしたグラスに冷たい生酒を注いで飲んでも美味しいことはいうまでもありません。

 蛇足ながら、生酒は火入れ殺菌をしていませんので、必ず、冷蔵庫で保管して下さい。

 それでは、皆さん、生酒でカンパ~イ!

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富田酒店生酒一覧

会社名

商品名

造り

容量

価格(円)
出羽桜 桜花吟醸本生 吟醸生酒

1. 8L

2,780

   〃   〃

720ml

1,360

   〃   〃

300ml

555

大吟醸本生 大吟醸生酒

720ml

3,400

大吟醸本生   〃

300ml

795

一路本生 純米吟醸生酒

720ml

2,300

一耕本生 純米酒生酒

1. 8L

2,650

  〃   〃

720ml

1,260

春の淡雪 本醸造生酒

1. 8L

2,280

  〃   〃

720ml

1,050

  〃   〃

300ml

430

一枝春本生 純米吟醸生酒

720ml

2,100

栄光冨士 庄内誉本生 吟醸生酒

720ml

1,500

生酒栄光冨士 純米吟醸生酒

720ml

2,000

なまいき 本醸造生酒

500ml

600

亀の井 くどき上手本生 純米吟醸生酒

1. 8L

3,200

くどき上手本生 吟醸生酒

300ml

450

 雪しずく 純米生酒

1. 8L

2,500

  〃   〃

720ml

1,300

樽平 雪むかえ・亀の尾生酒 純米大吟醸生

720ml

3,000

雪むかえ 純米生酒

720ml

1,300

初孫 初孫吟醸生 吟醸生酒

300ml

430



出羽桜・純米吟醸『一枝春』本生 60本限定入荷
 毎年、大好評のニュータイプ純米吟醸『一枝春(いっししゅん)』本生が今年も入荷しました。  バナナを思わせる吟醸香、少し甘酸っぱい味わいは、のど越しが爽やかで飲み飽きしません。

度数:15.8  酒度:-9 酸度:2.0  720ml  \2,100

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…… 商 品 紹 介 ……

出羽桜『大吟醸セット』
 日本屈指の吟醸蔵・出羽桜酒造さんの大吟醸の詰め合わせ。華やかな吟醸香と端麗な味わいには、のどが鳴ります。

300ml×5本入り  4,200円

出羽桜『吟醸・一耕セット』

このセットのために特別に詰めた吟醸酒と、軽い味わいながら豊かな風味で好評の純米酒・一耕の詰め合わせです。

 吟醸酒は冷やして、一耕は冷や又はぬる燗でお召し上がり下さい。

720ml×2本入り  3,200円


初孫『峰の雪渓セット』
 高山植物の鳥海フスマの絵をラベルにあしらった、その名のように、すっきりとフルーティーな美山錦100%の吟醸酒のセットです。

300ml×5本入り  3,500円

初孫『しおさい物語』
 夏期限定発売の初孫「しおさい物語」が今年も入荷しました。特別本醸造の「しおさい物語」は、冷やすと一段と旨さが冴えるお酒です。

720ml×2本入り  2,800円



…… 編 集 後 記 ……

○先月から刊行された新庄・最上の情報誌『月刊Kiss』に、私が1年間の予定で、日本酒のアレコレを書くことになりました。

 『富田通信』一つにさえフーフーいっているのに、ちょっと心配ですが、マァ、何とかなるかと相変わらずの能天気でやってみようと思っています。

○先日、山形県内の造り酒屋の若旦那10名と酒を飲む機会がありました。出てくるお酒は、蔵元自慢の逸品ばかり。

 皆さん非常に個性的で、酒に滅法強いということと良い酒を造りたいという共通項を除けば、酒に対する考え方がそれぞれ違うんですね。

 山形の酒の味が非常にバラエティーに富んでいるのも、ひょっとするとこの辺に原因があるのかもしれませんねぇ・・・。

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