新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 今年は、年明けから比較的穏やかな天気が続いたのですが、さすがというべきか、やはりというべきか、小寒に入ったとたんに連日の吹雪。猫ではありませんが毎日こたつでまるくなっております。 さて、今回の富田通信は新年早々でもありますし、酒に敬意を表して「酒は百薬の長」といわれる所以を『酒おもしろ語典』より書いてみましょう。 |
日本語で酒のことを昔から「さけ」といっていますが、さけというようになったその前の太古には「くし」と言っておりました。古事記の中にも、酒の神のことを「くしのかみ(久志能加美、久斯神)」と出ています。 このくしとは、怪しまたは奇しで不思議という意味です。それは酒を飲むと、なぜかホンワカとしてきて心も体もよい気分になる。これは何と霊験あらたかなものであろうというところからくしというようになったのです。 ところが「くし」とは同時に薬の古語でもありました。それは、酒が出来てから後、だんだん同じように霊験あらたかなものが見つけだされてきて、それを「飲んだりつけたりすると効能がある」というので、それもまた「くし」というようになったのです。 |
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それが即ち薬なのですが、やがて元祖のクシたる酒のほうはまぎらわしいので独立してサケというようになったというわけです。 これは、日本における酒の語源からきた「酒は百薬の長」たる所以の解説ですが、それがこじつけでないという証拠に─── 先日、日本長寿会会長さんのお話を聞きましたところ、世界における長寿者を調べてみると、そのほとんどが愛酒家であるということです。 狂い水といいたい人に─── 、いかに霊薬でもつねに牛飲したとしたら、はたしてどうなることとおもわれますか? むしろ酒こそは、もっとも副作用の少ない名薬といえましょう。 まして香り芳しく、飲んでは桃源に遊ぶ心地で、しかも酔い醒めのいい吟醸酒は、まさに百薬の長の長といえましょう。 ─── 乾杯!
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