今日は雨・・・、冷たい雨が降りしきっています。今年30度を越えたのは新庄祭の8月24・25日の二日だけ。田圃を見渡せば、実が入らずつっ立ったままの痛々しい稲穂が重苦しく胸を締めつけます。 重陽とは陽が重なるということですが、陽とは易などでもいうように奇数のことで、その反対の偶数が陰とされています。その陽数の内、一番大きい数字すなわち極陽に当たる「九」が重なる日ですから特に重陽といい、また重九ともいいます。 そのいわれは、中国は後漢の頃(西暦25〜221)汝南の桓景というものに、九月九日費長房が忠告していうのに、「今日はお前の家中に災厄があるから、急いで家を出て高いところに登りなさい。そのとき袋にグミを入れて持って行き、菊花の酒を飲めば、その禍からのがれることができます」とのこと。そこで桓景がその通りにして、その晩家へ帰ってみたところ、家畜類が全部死んでいました。それは主人らの禍の身代わりになったのだということです。 |
中国のこの風習が、やがて日本にも伝わってきて、天武天皇(673〜686)のころから催されるようになりました。『西宮記』には、天皇出御のもとに紫宸殿で行われ、御帳の左右にグミの袋をかけ、御前に菊をさした花瓶をおき、王卿以下が詩をつくり、終わってから氷魚(ひお)や菊の花を酒に浮かせた菊酒を賜ったとあります。 乙酉歳九月九日 |
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秋の清気は余塵をとどめず澄みきり 人生は長い苦労つづきではないか
・・・私には淵明ほどの強さはありませんが、せめて吟醸酒に菊の花と蔵人たちの熱い思いを浮かべて飲むことにしましょう。では皆さん、乾杯! |
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『銘酒特撰頒布会』のお知らせ
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