日本酒Q&A
今、新庄は栗の花のまっ盛り。「栗の花の盛りが梅雨の盛り」とか。
でも、この2、3日は梅雨の中休みといったところで、実に爽やかな日が続いています。
今回の富田通信は、日本酒について皆さんからのご質問の中からいくつかを選んで書いてみたいと思います。
○日本酒のラベルの原料の所に米麹と書いていますが、米麹とは何ですか?
米麹とは、蒸し米に麹菌というカビの一種を生やしたものをいいます。カビというと何だか汚い物のように思われがちですが、ペニシリンが青カビから作られたように世の中には役に立つカビも有り、麹菌はデンプンを分解して糖分に変える働きをします。
『一麹、二もと、三造り』と言われるように、米麹造りは酒を造る工程で最も大切な部分です。
○「火入れ」とか、「生酒」とかいいますが、その違いは何ですか。
「火入れ」とは、酒が貯蔵中に腐らないように、65℃位に酒を熱して殺菌することをいいます。今、売られている酒のほとんどが火入れをした酒です。 また火入れにより、酒が熟成して味が丸くなるというのも火入れの効用の一つです。
「生酒」とは、火入れを一切しない酒をいいます。ですから出来た酒は、変質を防ぐために冷蔵庫で貯蔵しなければなりません。
最近は蔵元も大型冷蔵庫や蔵そのものを冷蔵するなどして、生酒の量も大分増えてきました。
生酒はフレッシュ&フルーティなお酒です。
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○精米歩合60%とか40%とか書いていますが、精米歩合とは何ですか?
玄米を削って白米を得ることを精米ということは皆さんご存じの通りです。 精米歩合とは、玄米の重さに対する白米の重さの割合で下の式で求めます。
白米の重量
精米歩合(%)=────── ×100
玄米の重量
従って、数字が小さくなればなるほど玄米を削ったことになります。
○米を精米する目的は何ですか?
玄米食とか、胚芽米とかは、栄養があるといいますよね。米粒の成分は、表面と中心部では違うのです。表面に近い部分は、蛋白、脂肪、ビタミンなどが多く含まれ、中心部に近ければ近いほど、デンプンの割合が高まります。
ところで酒を造る場合、米の表面に近い部分の栄養成分は味に雑味を与え、くどい味の酒になる原因をつくります。
ですから美味しい酒を造るために、米を削るのです。
○酒造好適米って何ですか?
酒造好適米とは、酒を造るのに適した米のことです。酒造好適米は大粒で、心白といわれる中心部に白い不透明部分があるという特徴があります。(当店に山田錦の玄米と精米した見本がありますので、興味のある方はご覧になってください。)
もちろん普通の米でも酒は造れますが、酒造好適米には蛋白質含量が低いとか、麹が造りやすいとか、その他多くの優れた特性があります。
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