第65号(93.02.10)


毎度馬鹿ばかしいお笑いを一席

 2月というのに、きのう2月7日は記録的な馬鹿陽気。新庄の最高気温は9度7分でおまけに雨。屋根の雪はほとんど消えてしまいました。今日は一転して息もできないくらいの猛吹雪ですが・・・。

 ところで、バブルがはじけてこれからは、「貧乏、暇あり」の時代だとか?「貧乏、暇あり」といえば、自慢じゃありませんが私は生まれてこのかたズ〜ットそうだったわけで、バブルの恩恵を受けることもなく、世の中不景気になると、その影響はきっちり受けるという地べたを這うような生活を続けております。

 なにせセーターは冬中、着たきり雀で、毛糸が擦り切れて穴があいたらつくろって、穴があいたらつくろって、穴があいたらつくろって、つくろったら穴があいて??? アハハ、自慢にゃなりませんね。

 ですが私、暇は有り余るほどあっても、退屈だと感じたことはありません。なぜって回りを見渡せば面白い事がたくさんありますものね。雪の降り積もった川原を歩けば、ウサギやらイタチの足跡、時にはカモが空から舞い下りたときについたと思われる羽根の跡があったりして、彼ら(彼女ら?)が何処から来て何処へ行ったか考えるだけで胸がワクワクします。目を木々に転じれば、ヤマガラやエナガ、キクイタダキやミヤマホオジロ、ジョウビタキなどの温かい色の小鳥たちが気ぜわしく動き回り目を楽しませてくれます。一度外へ出てみませんか。


 とは、いったものの寒さが特に嫌いだという人のために今回の富田通信は、とっておきの落語(小咄)を一席お届けしたいと思います。ご紹介します落語は「バレばなし」と呼ばれる、ちょっと艶のある落語です。おおらかでたのしい、日本の伝統的な良きエロチカを存分に楽しんでください。

 エー、おあとがよろしいようで・・・。

小島貞二編「定本艶笑落語(全)」より


あと一合

 何が困るったって、酒くせの悪いご亭主ほど、手におえないものはございま

せん……… 。
亭主「おい、おタネ、もう一本つけろイ」
女房「もう、ないよ、お酒が・・・」
亭 「ない? なけりゃ買って来い!」
女 「買うお金がないんだよ」
亭 「なけりゃ、なンでも売っ払えばいいじゃねえか。そのくれえの才覚をするのが、女房だイ。行って来い、チクショウめ・・・」
 言い出したら聞かないのを知っていますから、おかみさん、黙って出て行きましたが、間もなく一升持って帰って参りました。
女 「ハイ、買って来ましたよ」
亭 「見ろ、買えたじゃねえか、ざまア見やがれ!」

−1−




女 「でもね、おまえさん、この一升飲んじまったら、一生懸命かせいでおくれよ。もう、なンにも売るものがないんだから・・・」
亭 「売るものがねえって・・・じゃ、この一升は、何売って買ってきたんだ」
女 「おまえさん、これだよ」
 と、アネさんかぶりをとりますと、下から現れたのが、坊主頭………。
亭 「あっ、おめえ、そ、それじゃァ・・・」
女 「あア、売るもンがなかったからね。髪の毛を売って、一升買って来たのさ、だからおまえさん、明日ッからたのむよ、ほンとうに!」
亭「ウーン・・・おタネ、おれが悪かった。かんべんしてくれ・・・」
 と、さすがのご亭主が涙を流してわびをします。これから、二人すっかり和やかになって、仲よく一つふとんにくるまると、ご亭主、おかみさんの前へスーッと手をのばし、
亭「お、お、おタネ!」
女「なアんだい、おまえさん・・・」
亭「ここに、あと一合、残っている・・・」

…… 編集後記 ……


 先日、新庄の昭和地区の農業青年・石井君から、彼の書いている「コンバニオンブランツ(共生植物)」という通信をもらいました。その中に『そういえば、また「コメ問題」が浮上してきていますね。ときおり、先行きの見えない不安感が胸を締め付けます。僕たちは、風に流される風船なのでしょうか。風船ではなくて、飛行船にでもなれればいいんでしょうけどね。』というくだりがありました。まったく身につまされます。

 自然や環境と深くかかわりを保ちながら発展してきた農業をコメを単なる政治問題として片づけていいものなのでしょうか?

−2−


……… 商 品 紹 介 ………

出羽桜・『枯山水』再入荷
 10月に入荷した出羽桜・本醸造三年古酒『枯山水』、残りわずかとなりましたが、2月末に再入荷いたします。サラリとした飲み口が、ぬる燗をすることでさらに旨さを増す「燗上がり」するお酒です。
 今年分はこれが最後の入荷ですので、お求めは早めにお願いいたします。

1.8L   3,030円


……… うまい店紹介 ………

料理はもちろんのこと、美味しいお酒が楽しめるお店です。

鮨処 ほうらい
 新庄市沼田町5−15 TEL 23−1588
 定休日/毎週月曜日
 店主の気っぷの良さと鮨の旨さは山形県でも屈指。

割烹 つたや本店
 新庄市常葉町3−25 TEL 22−0434
 新庄でも由緒ある料亭。ご予算に応じて美味しい料理が楽しめます。要予約。


居酒屋 庄屋
 新庄市若葉町16−51 TEL 23−5612
 定休日/毎月第1・第3日曜日
 店主の酒道楽が高じて店を始めました。
 いろいろなお酒が楽しめます。


やき鳥 けん坊
 新庄市北町4−8 TEL 23−2806
 定休日/毎週日曜日
 店主は若くて二枚目。でも、美人の奥さんがいますので誘惑は程々に。
 最近、宴会用の部屋を増築しました。

−3−



E-mail:tomita@vega.ne.jp ->メール