清酒のできるまで さて、これらの工程を追って、簡単に説明してみましょう。 酒米として好まれるのは、山田錦とか美山錦といった大粒の心白米(しんぱくまい、米の中心部がもち米のように白い米)です。これらの米は酒造好適米と呼ばれ、普通米より60kgあたり1,000〜7,000円も高い米です。 |
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仕込水 仕込水については、鉄分の少ないことがいちばん大切です。 精米 精米の目的は、玄米の外層に多い、脂肪、蛋白質、灰分などを除くことにあります。普通酒で75〜70パーセントの精米歩合。吟醸酒の場合は60〜35パーセントにもなります。 蒸し・蒸米 白米を洗って糠をとり、水に浸して水を吸わせた後、大釜の上にのせたこしきに入れて蒸します。蒸す目的は、米のでん粉を消化・分解しやすい糊化でん粉にすることにあります。 麹づくり 麹は蒸米の上に黄麹菌を生やしてつくります。32℃くらいにした蒸米に種麹をまき、暖かい麹室に入れ、約二日間をかけます。 酒母の育成 酒母はモトともいうように、酒になるもとである酵母を育成する場であります。麹と蒸米と水とを混ぜ、酵母をうえつけてつくります。 |
もろみ 酒母に麹、蒸米、水を加えてもろみを仕込みます。一度に大量の蒸米や水を加えると、もろみの酸や酵母の活性が低くなり、不良乳酸菌などの汚染を受けるので、三回に分けて仕込みます。これを段仕込みといい、それぞれ初添え、仲添え、留添えと呼び、その分量は、酒母を一とすると二、四、八倍と、倍々に増やしていきます。 熟成したもろみは圧搾して、新酒と酒粕とに分けます。 新酒、火入れ、貯蔵 新酒には麹の酵素がまだ生きていて酒質を変化させたり、火落菌(ひおちきん)が入って混濁したりするので、それらを防ぐためにしぼってから約二ヵ月くらいして味なれしたところで65℃前後に加熱殺菌(火入れ)して貯蔵タンクに移します。 びん詰め、出荷 出荷に際しては、数本のタンクの酒を調合して酒質を整え、所定のアルコール分になるよう加水し、火入れ殺菌しながら熱酒をびん詰めします。 | |
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