清酒の級別廃止 3月。“北国の春の幕開けは光によってなされる”といった意味のことを誰かが言いましたが、事実、気温よりも光のきらめきに春を感じる今日この頃です。 4月になれば、いよいよ待ちに待った…渓流の解禁日。小川のせせらぎに身体も心もどっぷりと浸して、あの光輝くヤマメを釣りに・・・あっ、失礼。どうも仕事より遊びが勝ってしまいますねぇ。では改めて。 昭和6年、日本は満洲事変を契機に泥沼の戦争に突入していきます。当時酒税の国家予算に占める割合は大変大きいものでした。増大する軍事費をまかなうために政府は酒税をどんどん上げていきました。 そしてついに、昭和18年4月1日から、清酒に一〜四級までの級別がつくられました。 |
級な酒と低級な酒とを区別して、高級酒からは低級酒より高率な酒税を取り立てるということです。つまり、高価な酒も安価な酒も同じ酒税しか取れないのはおかしいというのが酒税における級別の発想なのです。 こうして昭和23年まで、清酒は一、二級の2階級時代が続きます。この頃はまったくの清酒不足時代で、どんな清酒も非常に貴重な存在で、プレミアムつきの時代でした。 そして、昭和24年はアメリカからの経済特使シャープ博士のいわゆる、シャープ勧告による大増税の年でした。この年、一級清酒より更に高率の酒税の特級清酒がつくりだされました。 |
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今後の展望 さて、前述したように今年の4月1日から清酒の級別は無くなりますが、それに替わって? 清酒メーカーの最大手月桂冠では「特撰」「上撰」「佳撰」というランクを付けるそうです。 これらの酒は、それぞれの蔵元なり団体が、独自の規準でランクを付けるのでしょうが私にはいまひとつピンときません。「級別廃止で選択規準がなくなり、消費者や酒販店が戸惑うことが予想される」というのが月桂冠のランク付けの言い分のようです。 それに何よりも、吟醸酒、純米酒、本醸造酒などの造りによる選択規準があるではありませんか。せっかく特、一、二級という級別が廃止になるのに、級別もどきの幽霊を作り出すことはないと思うのですが……。 |
今後、私たちはますます自分の舌を鍛練し、幽霊を退治し、世界に誇る日本酒文化の花を咲かせようではありませんか。乾杯!
商 品 案 内
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