お燗について そんなわけで、今回の富田通信は「お燗」についてあれこれを、坂倉又吉氏の本より抜き出してあれこれ書いてみましょう。
お 燗 |
お酒の適温は、その酒の質や、そのときの外気により違いますから一概にはいえませんが、平均したら50度位が適当というべきでしょう。そして、どちらかというと悪い酒ほどあつ燗でまぎらすが良く、特に良い酒は人肌程度のぬる燗が良いのです。 これからみますと、昔は燗とはいわず「あたたむ」と言っていたようですが、それはおそらく漢から伝えられたのでありましょう。白楽天の詩に「林間に酒を煖めて紅葉を焚く」とあります。 | |||
それでは、その酒をあたためることをなぜ「燗」というようになったのでしょうか。 『大言海』によれば燗の字は火と間の合字で温熱の中間の意であって、酒や茶を沸す温熱の程度をいうのであります。そしてもとは「間」と書いていたのが燗になり、やがて酒だけに用いられるようになり、それも徳利などに酒を入れて湯の中へ入れてあたためることをいうようになりました。またやかんや燗鍋に入れて直接火にかけるのを火燗(ひかん)または直燗(じきかん)といいます。 お燗の常識・非常識??? ところがこの生酒、意外な飲み方があるんです。出羽桜酒造の常務、仲野さんから聞いた話では・・・。 あるとき、仲野さんが居酒屋で「お燗酒」を注文したところ、あまりの旨さにびっくり。「女将さん、これ、どこの酒。うちの酒じゃないべ」「何いってんの」といって出された酒が出羽桜の純米生酒。これには仲野さんも二度びっくり。生酒もひと夏すぎて一段と旨くなり「お燗酒」に向く酒質になるとは。 いやはや、お酒は奥が深い。あなたも一度ためしてみては。 |
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