第49号(91.10.10)

皆さまのお陰です・・・

富田酒店、全国誌「サクセス」に載る!

 先日、子供たちを連れて近くの山に遊びに行ってきました。紅葉はまだでしたが、山道には栗やどんぐりが散らばり、ヤマガラが群れをつくって飛びまわっていました。秋ですねぇ・・・。

 ところで、富田酒店が、ダイヤモンド・フリードマン社発行の『サクセス』10月号に紹介されました。これも、ひとえに皆さまのお蔭と感謝申し上げます。当店は、サクセスというにはまだまだですが、蔵人の心、酒の心を心として、これからも歩んでいきたいと思っております。そして、出来ることならば、心の酒を皆さまにお届けできたらと思っております。

 以下に、その文面を載せます。今後ともよろしくお願い致します。



吟醸酒への取り組で
   県外からのファンを育てる

 山形県の北部新庄盆地の中央部に位置する新庄市。地元の人の間では日本のチベットと呼ばれるほどの大自然に囲まれた緑豊かな土地である。

 その新庄市に300年以上も酒販店として、店を構えている富田酒店。古い歴史と新しい試みを見事にマッチさせた同店に迫ってみる。

日本酒が苦手な消費者がファンになる

 老舗の富田酒店が吟醸酒を取り扱い始めたのは、まだほとんどの人が吟醸酒のことを知らなかった十数年前のこと。

「その当時の日本酒は、イメージが暗く、私でさえあまり好きではなかったほど。ですが、あるとき吟醸酒を飲んでみて、あまりのおいしさにびっくりしました」と富田富男さん。
 これなら売れる、と自信を持って仕入れしたものの、一向に売れる気配なし。ひとりの人に4時間もかけて説明するが、とりあえずその日は買っていくものの、リターン消費は見込めなかった。
「最初から売れなくても古酒にすればいつか売れるだろうと、開き直っていました。売れ始めたのは、3〜4年目から。最近では売れ過ぎて古酒にできないほど」
 と楽観的に答えているものの、当時は失敗も多かったという。例えば、2年寝かせただけでおいしくなるものと、3年目からまろやかになってくるものがあったり、同じ吟醸酒でも熟成するものとしないものが出てきたり、試行錯誤を繰り返したということだ。

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「日本酒の世界は奥が深いですから、今でも試行錯誤を繰り返しているところです。ただ、一人でも多くの人に吟醸酒のおいしさを知ってもらいたいですね」
 来店した消費者で日本酒が苦手という人には吟醸酒の試飲を勧めているという。するとほとんどの人が、日本酒の味を誤解していたことに気づき、吟醸酒のファンが増えていくという。88歳で初めて日本酒の味を知ったといって、お礼の手紙をもらったこともあるそうだ。

富田通信で情報と季節を発送

 
こうして、吟醸酒を通じて広がっていった輪を絶やさないためにも、3年半ほど前から『富田通信』を発行している。

「酒販店はメーカーとお客さまとの橋渡し的存在。それならお客さまにもっと酒の知識を知ってもらうのと、当店のことをいつまでも忘れないようにしてもらうのが目的で発行しています」

 現在、県外だけで76件に毎月発送している。そのとき、春にはつくし、秋には稲、紅葉といった季節の一本も一緒に添えるようにしている。

 都会に住む消費者なら季節を『富田通信』で感じることができるからだ。

「新庄で自慢できることといったら、この大自然だけですからね。それでお客さまに喜んでもらえるんだったらと思い、始めました。東京の人には好評で、毎年何を添えて発送しようか、頭を悩ましています」

 また同社では年に1回、吟醸酒の試飲会を開催。古酒と絞りたてを飲み比べられる貴重な一日となっている。

 今後は日本酒の貯蔵方法を確立して、メーカーにフィードバックしていきたいとか。そして歩みは遅くとも、吟醸ファンを徐々に増やしていきたいということだ。




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商 品 案 内

出羽桜・大古酒『枯山水』

 馥郁かつ淡々とした味わいで、すっかり「幻の名酒」となった本醸造・三年古酒『枯山水』。

 例年、年に一度、11月末に出荷されていましたが、今年から10月と2月の二回に分けて出荷されます。なお、出荷数量は去年なみです。只今、予約受付中。
特徴:『燗上がり』する酒です。お燗をすると味わいが更に軟らかに優しくなります。

    入荷予定日:10月28日 
    内   容:本醸造・三年古酒

容 量:1.8L   価格:3,000円



初孫・純米吟醸酒『夢工房』
10月9日に発売されたばかりの初孫・純米吟醸酒『夢工房』。

 今回は出荷本数がわずかなため、当店入荷本数も雀の涙。来年4月からは通年販売とか。品切れの際は来年4月までお待ちください。

容 量:1.8L 価格:3,500円
 

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