酒よもやま話 今回の富田通信は、体も心も休め!で、酒よもやま話。 猩々(しょうじょう) |
また「汲めども尽きず、飲めども変わらぬ」底無しの酒豪に「猩々」の尊称を奉っているのも、この謡曲から来たものです。 そのように猩々は根からの酒好きですが、ついその酒につられて捕らえられるといいます。『心学道話』の中には、そこのところを面白い寓話にしています。 それによると、人間共は、猩々は酒が好きでそれに猿真似で沓(くつ)をはくことが好きなのを利用して、酒壺と、わなの沓を用意します。すると 1、まず猩々どもは、くだんの酒壺からの匂いをかすかに嗅ぎつけて、海から上がろうか上がるまいかと評定をするが「これは人間共の恐ろしい計画じゃから」との反対の声も、もう一匹の、嗅ぐだけならよかろうという言葉につられてみんなが酒壺の側までよって来る。 2、そのうち嗅ぐばかりじゃ耐えられぬ。この前先輩は、ひしゃくを使ったから失敗したが、指の先へつけてなめる位ならよかろう、となる。それから、だんだん | |
3、ひしゃくで飲んでも酔わぬ程度ならよかろう。 といううちに、ついには足をとられて、捕らえられてしまうのですが、優柔不断な人間の中にもありそうな寓話であります。
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