ウイスキー 忘れたといえば、今までの富田通信の中で、なぜかウイスキーを取り上げてなかったんですよね。そこで今回は、おくればせながらウイスキーについて書いてみたいと思います。 ウイスキーの蒸留がいつごろから始まったのか は、あまり明らかではありません。 |
ただ、中世に練金術の恩恵を受けて、アイルランドで生まれたであろうということが、ほぼ定説になっています。 練金術は、四世紀ごろ、エジプトあたりでシステムをととのえ、アフリカ北部を西に広がり、中世初期にはスペインまで伝わりました。その伝播過程のどこかで、練金術用のルツボに何らかの醗酵液を入れたところ、アルコール度数の強烈な液体が、偶然に得られました。それが、人類が蒸留酒というものを経験したそもそもの始まりですが、練金術師はその酒を、ラテン語でアクア・ヴィテ(生命の水)と呼んで、不老長寿の秘薬として扱いました。 やがて、この「生命の水」の製法は、海を越えて、北方のアイルランドに伝わり、その地で飲まれていたビールを蒸留して、強烈な酒を生むことになります。土地の人は、生まれた酒「生命の水」を、自分たちの言語ゲール語に直訳してUisge-beatha(ウイスゲ・バーア)と呼びました。これがウイスキーそのものの起源であり、かつウイスキーという名称の由来でもあると考えられています。 |
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ウイスキーの産地別特色 (1)スコットランド(イギリスのブリテン島北部)ここで生産されるのが、スコッチ・ウイスキー。 スコッチ・ウイスキーは、製法上から、(a)モルト・ウイスキー、(b)グレーン・ウイスキ
ー、(c)ブレンデッド・ウイスキー、の三つの タイプに分かれます。 グレーン・ウイスキーは、とうもろこし約8割に、ピート香をつけていない大麦麦芽約2割を混ぜ、連続式蒸留機で蒸留したもの。最低3年間樽貯蔵され、味はソフトでマイルド。グレーン・ウイスキー単独でびん詰めされることは、ほとんどありません。 |
ブレンデッド・ウイスキーは、モルト・ウイスキーと、グレーン・ウイスキーをブレンドしたものをいいます。数量的には、スコッチ全体の98%がブレンデッド・ウイスキーです。
海外向けのものは、グレーン・ウイスキーをブレンドした、穏やかな風味の、ライトタイプ・ウイスキーになっています。 | |
バーボン・ウイスキーは、未発芽のコーンが主体(51%以上)の原料を約12%の麦芽で糖化しますが、このとき仕込み水の一部に蒸留した残りの液の一部を用いる(サワー・マッシュといいます)こと、糖化液は濾過せずにそのまま醗酵させるのが特徴です。 カナダのウイスキーは、世界の五大ウイスキーのなかでは、最も軽快な風味を持っています。ライト&スムーズなウイスキーの典型です。 |
(5)日本 日本のウイスキーは、スコッチタイプですが、ピートによる燻香は、スコッチ・ウイスキーに比べて控え目です。しかし、樽に由来するアクセントが強く華やかです。水割り等の飲み方をする日本人の嗜好を考慮するとともに、日本独特のウイスキーとなっています。
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