10月は、お酒の月 この12支の10番目は“酉”。もともと“酉”は壺の形を表す象形文字で、その壺はもちろん酒壺のことを指しました。文字通り、酉の月、10月は、酒の月です。 さて、厳冬から早春にかけて仕込まれた日本酒は、涼しい酒庫で夏を越し、秋口には、さわやかに目覚めます。完熟した芳醇な味と香り…折しも秋。 白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 日本酒を温めて飲むようになったのは大変古く、平安時代にさかのぼります。このころは今のような徳利を使った燗酒ではなく、直燗(じきかん)といって鍋や器に酒を入れて、直接火にかけて加熱していたようです。しかし、昔は常温で飲むことも普通の飲み方でした。 |
なぜ燗をして飲むようになったのかには、いろいろな理由があげられます。そのひとつは、寒い冬、早く体を温めるには、この方法が最もてっとりばやかったこと、次に、冷や酒では後から酔いが急にくるけれども、温めるとゆっくり酒が入り、酔いの加減の速度を調節できるためだったのでしょう。 では、日本酒は燗か冷やか、それともそのままの常温か、一体どれがよいのでしょうか。それにはルールはありません。自分の好みの方法で飲むのが一番よいのです。ただし、酒質や酒の種類によっては、燗をしてはいけない酒があるので注意してください。まず香りの高い吟醸酒に、燗は不可です。香味のバランスが、熱でまたたく間に失われるので、必ず冷やしてください。また、原酒や生酒も冷やした方がよいでしょう。 大伴旅人は『万葉集』で「酒を讃むる歌十三首」を残し、この歌の中に、いっそ酒壺になりたいという心境を詠んでいますが、当時の人としてはなかなかの酔狂人のようでした。歴史上には、酒が絡んだ伝説的な話や奇行を残したために、後世にまでその名を馳せる酔狂人たちも数多くいます。 |
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大田南畝(おおたなんぼ1749〜1823)は狂歌や洒落本に抜きん出た才能をもち、蜀山人(しょくさんじん)と号しましたが、酒をことのほか愛したことでも有名です。彼はあるとき、何を思ったのか突然禁酒をしましたが、その禁酒が破れて再び飲み出したときの狂歌に 我が禁酒 破れ衣と なりにけり とありますが、破れた衣をさす、つぐにかけたこの歌に酔狂さがよく表れています。 一覧し 二覧でみれば 三覧し という、まことに頓狂な歌を詠んでいます。 |
柿のしぶ抜きの方法(富田酒店の場合) 1.柿を密閉できる大きさのナイロン袋を用意する。 この方法は、柿のへたに焼酎をつける方法に比べ、非常に楽です。またしぶの抜けぐあいも変わらないように思えます。ぜひ一度ためしてみて下さい。 なお、ナイロン袋の底に新聞紙を敷くのは、底にたまった焼酎を吸い取るためです。 ※お願い……このほかに、柿のしぶ抜きで良い方法がありましたら、ぜひ教えてください。富田通信の紙上で皆様にご紹介させていただきます。 | |
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