古酒・新酒 古き昭和と新しき平成、というわけではありませんが、今回は日本酒の古酒と新酒について書いてみたいと思います。 日本酒における古酒・新酒とは? ふつう、日本酒は10月末頃から翌年の3月頃までの期間に造られます。いわゆる“寒仕込み”というやつです。そこで出来た酒をそのままブレンドせずに瓶に詰めたものが新酒として売られているものです。 新酒は、麹ばなと言われる独特の香りがあり、味も荒いのが特徴です。 では、古酒とはなんでしょう。古酒とは、メーカーの蔵のタンクの中で夏を越し、秋に出荷される清酒のことを言います。俗に“冷やおろし”とも呼ばれ、新酒の頃の角がとれ、まろやかな味になります。 |
ただ、新酒・古酒の好き嫌いは好みの問題ですので、お好きな方を飲むのが一番だと思います。 メーカーには、そのメーカー独自の味があります。そしてその味は、出来うる限り一定でなければなりませんし、またそうしています。だからこそ皆さんも安心して自分の好みの銘柄を選ぶことが出来るのですよね。そこでメーカーは味の一定化をはかるために、新酒に古酒をブレンドして味の調整をして出荷しているのです。 |
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熟成の美徳 ここで坂口謹一郎氏の「日本の酒」から抜粋してみましょう。 適度に熟成した酒のよい性格は、味に「まるみ」があり、「調和し」、「アルコール味がなく」、そして「さばけがよい」というような言葉であらわされている。「すべり」や「のどごし」がよく、「味の切れ」がよく、「舌ざわりなめらか」というような、酒のヴェテランでなければわからないような「あかぬけ」のした性格の多くは、貯蔵熟成のたまものであると思えばまちがいがない。 |
な「のどごし」となることはよく経験されるところで、しろうとには、ややもすれば「うすい」というような感じにさえまちがえられるほどにもなる。 以上、坂口先生の言葉をもちまして、古酒・新酒の話を終わらせていただきます。 なお、当店では古酒の逸品を取り揃えてございます。
○年末、年始の慌ただしさと疲れのため、小生本来の怠け心がついあらわれて 今回の富田通信は、1ページ減ってしまいました。なにとぞ、お許しのほどを。 ○ただいまの時刻は、元号が改まったばかりの平成元年1月8日午前2時6分。 大行天皇のご冥福を心からお祈り申し上げます。 | |