第9号(88.06.10)

特集:かんたんカクテル

 つぶやく声がした。この世にカクテルは、いったいどれ程あるのだろう。カウンターの端から答えるには、夜空にまたたく星の如く。グラスの影からは、今宵生まれた恋人の数ほどに・・・。
       「サントリーカクテルブックより」
 ニューヨーク・バーテンダー・ギルドに登録されたカクテル・レシピ(処方)は約1万種類だそうです。

 今回はシェーカーを振らなくても、ステア(かき混ぜる)するだけでつくれるものの中から、ごく簡単にできるものを選んで紹介します。

 さあ、ホーム・キッチンをショットバーに変えて、存分にご堪能ください。


Gin&Tonic(ジン・トニック)

 ドライジン───────── 45ml
トニックウォーター─────  適量

(1) 氷を入れたタンブラーにジンを注ぎ、冷やしたトニックウォーターで満たし、軽くステアする。

(2) レモン(またはライム)を飾る。

Cuba Libre(キューバ・リブレ)

 ラム<ホワイト>─────  45ml
 レモン──────────  1/4個
 コーラ──────────  適量

(1) グラスの上でレモンを絞り、グラスの中に落とす。
(2) 氷を加え、ラムを注ぎ、その2〜3倍量の冷やしたコーラで満たす。
(3) マドラーを添える。

※バカルディ&コークで呼ばれることが多い。


Moscow Mule(モスコー・ミュール)

 ウォッカ────────────── 45ml
 レモン(またはライム)・ジュース── 15ml
 ジンジャーエール───────────
適量
(1) 氷を入れたタンブラーにウォッカを注ぎ、ジュースを加える。
(2) 冷やしたジンジャーエールで満たし、軽くステアする。
(3) レモン(またはライム)を飾る。

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Kitty(キティー)

 ワイン<赤>───────── 1/2
ジンジャーエール────────1/2

○氷を入れたゴブレット(またはワイングラス)にワインを注ぎ、冷やしたジンジャーエールで満たし、軽くステアする。

Whisky Highball
      (ウイスキー・ハイボール)

 ウイスキー────────────── 45ml
ソーダ(またはジンジャーエール)────適量


○氷を入れたタンブラーに注ぎ、軽くステアする。


カクテル(Cocktail)のお話し

 カクテルとは、いろいろな酒をベースに、リキュール、シロップ、ジュース、フルーツ、香辛料などを加えてミックスした飲み物。広義にはミックス・ドリンクのことを指し、しばしば“味と香りの芸術”“交響楽”のようにたとえ称される。

 カクテルの語源は、古来よりさまざまな説が伝えられているが、国際バーテンダー協会のテキストに述べられている説は次のようになる。

 昔、メキシコのユカタン半島のカンペチェという港町に、イギリス船が入港したときのこと。上陸した船員たちが、ある酒場に入ると、カウンターの中で少年がきれいに皮をむいた木の枝を使って、おいしそうなミックス・ドリンクを作って土地の人に飲ませていた。当時、イギリス人は、酒というものをストレートでしか飲まなかったので、とても珍しい光景に映り、ひとりの船員が「それは何?」と少年にたずねた。少年はその時使っていた木の枝のことを聞かれたのかと勘違いして「これは、コーラ・デ・ガジョ( Cola de Gallo)」と答えた(コーラ・デ・ガジョとは、スペイン語で“オンドリのシッポ”の意)。少年は、木の枝の形が似ているので、洒落てこんな命名をしたわけ。このコーラ・デ・ガジョを英語に直訳すると、“テール・オブ・コック”となり、以来、船員たちの間でミックス・ドリンクのことをテール・オブ・コックと呼ぶようになり、やがて略してカクテル(Cocktail) と呼ぶようになった。

(サントリー・カクテル・ブックより抜粋)

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─────  編 集 後 記 ──────

○恥ニモ負ケズ、外聞ニモ負ケズ、ワープロを買ってしまった勢いで、ただそれだけで始めた富田通信。月に2度の定休日の一日を潰し、妻や子を遠ざけ、しぼっても何も出ない頭を阿修羅の如くさらにしぼり、ワープロの前で悪戦苦闘、七転八倒、まさにアヤシウコソモノグルホシケレ・・・エヘヘへ

○ところで今回のカクテル特集。皆様に写真をカラーで見せられないのが、まったく残念です。目の覚めるような鮮やかな2001種類のカクテルのカラー写真の載ったカクテルブックが当店にありますので、ご覧になりたい方はお申し出ください。

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