蟻のつぶやき

毎月アリンコがつぶやきます、
ブツクサと・・・。
蟻のように小さな存在のアリンコの、
つぶやきなんて、
みんなに聞こえるかなぁ〜。





 2009年8月
工面


今の時期、子供さんは大変かな?
夏休みの工作の宿題・・。
今の時代、親御さんの宿題とも言えるとか・・。
逆を言えば想像力を発展させるいい機会とも言えるかな?
親子の触れ合いとしてもいのかなぁ〜。
前半はいいとしても後半に入ると、
あせっちゃうよね。
そこで親子で考えて、
なに作ろうかな?
でも普段やってない人は大変だぁ〜。

アリンコからの提案なんだけど、
家にある廃品よく観察してみてよ、
想像力掻きたてるものたくさんあると思うよ、
例えば、ファックス用紙の芯、
こんなのだって面白い、
ある家で沢山捨てずに置いてあるの見たとき、
ミニチュアのログハウスこれで作れば面白いかな?
なんて想像しちゃったよ、
あとアリンコがよく使うのが、
食べた後の焼鳥の串、
こんなのも魅力的な素材。

それから道具、
何でもそろってなきゃ、
作れない、
そんなもんじゃない、
いま思い出すのは、
アリンコが小学校時代、
学校の先生に言われた言葉を今でも忘れない。

「昔の人はね、彫刻刀なんてなかった、
小刀一丁で彫刻ほったんだよ」

例えばドリル、
これなんか、電動彫刻刀の代わりにもなるんだよ、
また工面次第では、ロクロの代わりにもなるんだよ、
えへへ、今年の夏は想像力と工面力の鍛練、
成功祈ってるよ・・。



 2009年7月
旅路


夢という目的地に旅をする。
そんなとき、
目的地は遠い方がいいかもな、
すぐにたどりつけるようだと、
到着した時に力が抜けてしまうような気がする。
遠けりゃそれだけ途中の風景が楽しめるってもんさ。
それに、
目的地までは何で行くかも問題だよ、
歩くのか、走るのか、
普通列車か、急行列車か、
どうせなら、せめて普通列車にしたいなぁ。
速度が、遅いほど、
途中の思い出が残るもんさ。

アリンコだって夢がある。
もうちょっとで、たどり着けるかな、
そんな夢だったんだけど、
夢という駅がまた遠くに行っちゃった。
夢の駅は、勝手に遠くに行ったり、
近づいたりするもんらしい。

「途中の風景をもっと楽しんだらいいよ」

自分に言い聞かせながらまた旅を続けるか・・・。

たとへ、たどり着けなくても、
途中の思い出だけは、
確実に胸に刻まれるさ、
無駄なことってないかもなぁ・・。




 2009年6月
ツバメ大事件


なにげなく倉庫に入って足元を見ると、
下にツバメのヒナ一羽が落ちていた。
触ってみるとまだ生きていた。
そっと手のひらに乗せて、
上を見上げると、
親ツバメが騒いでいた。

ツバメに話しかけた、

「この子供巣に戻してもいいかい?」

ちょっと話を聞いてくれてるような素振り・・。

でも親ツバメの様子が、ただ事ではない、
隣の空の巣の方を、しきりに気にしている。
よく見ると、その空き巣の中から蛇が顔だしてた、
こりゃ大変だ・・・。

大慌てでなにか棒を探し、
蛇をからませ、近くの川に・・。

蛇のおなかがかなり膨れていた。
ヒナが三羽位犠牲になったみたいだ。

今までこんなことなかったのに・・・。
そういえば、
先日巣の滑落防止のため、
下に板を打ち付けたアリンコ・・。
蛇の格好の踊り場になってしまったみたいだ。
ということは、アリンコの親切が仇になってしまったのか?

「申し訳ない」

あとは、残ったツバメの成長を祈るのみ・・。

教訓
自然は自然に任せろ、
ってことか?






 2009年5月

ツバメの教訓

今年の4月初め、
我が家にツバメがまたやってきた、
今年は随分早いように感じた。
しかし、去年の巣には、様子をうかがうものの、
入る様子がない。
去年この巣で子育てをしたツバメとは、
どうも違うようだ。
ま、ここまでは、どこにでもある話、
でも今度は壮絶なドラマが展開した。

ツバメたちが早速、
巣作りを始めた、
それも、すごい速さで土を積み重ねていった。
二日もするともう完成しそうな勢いだった。
ところが、気温が低いせいもあったのだろうが、
土が乾燥する暇がなかったせいか?
仕事を急ぎすぎたのか、
土の重量に耐えきれずに、
巣が滑落してしまった。

家内と二人で、思わず、
「お前たち下手だなぁ〜」

すぐに二回目の巣づくり、
結果は前と同じ・・・。
三回目、四回目も同じ結果。

たまりかねて、巣が落ちないように、
下に板をうちつけてやったが、
人間の力を借りたくないのか、
ちょっと場所を移動して五回目に挑戦。
今度は前の経験が生きたのか、
制作速度が遅く、順調に進み、
完成・・・。

家内と二人、

きっと、あのツバメたち、
我々に人生の教訓教えてくれたんだなぁ〜

妙に納得してしまった。

教訓1 物事急がずにじっくりと
教訓2 何事もあきらめるな
教訓3 何事も経験が大切
教訓4 経験豊かな高齢者の意見を聴け
教訓5 失敗は人生のこやし

あはは、これ生きた教訓だよ。






 2009年4月

プロ?アマ?


ある日作品のイメージが頭に浮かぶ。

頭の中に作品のイメージがあると、
結構苦しいもの。
そのイメージもだんだん複雑に、
また難しそうなものになっていくみたい、
まるでアリンコに挑戦するように。

「お前に、こんなんできるか?」

そう言われているようで落ち着かない。

早く頭の中、空にして楽になろう、
そんな思いから、、制作に取り掛かる。

大抵難しい部分から取り掛かってしまう、
みんなそうなのかなぁ〜?

やっと難しいところクリアーすると、
途端に制作スピードが遅くなる。
制作を楽しみ始める自分がいる、
ある時など、完成させたくない気分になる時もある。

「あ〜〜もう出来ちゃうのか」

フッとさみしい気分にもなる,
これって、ちょっと不思議。


動かなくても、展示には関係ない部分も、
可動式にしてみたり、
まったく、時間の無駄使いか?
はたまた、アリンコの意地ってやつか?

やっぱ、アリンコはプロにはなれないよ、
だってプロは時間が勝負、
アリンコはアマチュアでいいよ、
その方が気楽だ〜〜よ。





2009年3月
 光ファイバー


この3月、
わが町に、やっと光ファイバーなるものが来た。
今までは、ISDN、
とてもじゃないけど、重いサイズのファイルなど、
ダウンロードできたものじゃなかった。
我が家でも早速申し込んだ。
工事も終わって、さっそくアクセス・・。
しかし、なんだこのノロノロは?
いやまいったなぁ〜。

ちょっと前、あるファイルをダウンロードした時、
こんなメッセージが出てきたのを思い出した、
「あなたのPCの環境では、
作業速度が非常に遅くなる場合があります」
ギャギャギャー。

そう言えば、アリンコのPC,
もう10数年になるよなぁ〜、
そこで問題が一つ・・。
怖いお母ちゃん、
これどうすんのよ。

何度も頭をさげて、
やっとやっとやっと・・。
いやー、やっぱ早いわ、
さすが、光ファイバーの実力体感。





2009年2月
我が愛車は男前


アリンコにとってこのブルちゃん、
フェラーリより素敵・・。
正式名称は、CATミニホイルローダー902
このブルちゃんとの出逢いは、
メーカー出先の事務所前駐車場。
そこにいた女性事務員さんに、
「これ、大型のホイルローダー」
と尋ねたところ、
アリンコの所有しているミニローダーと、
同じクラスだという。
うへー、なんて格好よくなったんだ、
すっかり惚れ込んでしまった。
以前から、このメーカーのミニショベルは所有していた。
でも、もう25年も前の物だった。
このようなミニショベルを所有することは、
この地区では特別贅沢なことではない、
ちょっとした事業所では、冬の間の必需品的な存在。
しかし、デザインで重機に惚れ込むのも、
アリンコが変わり者のせいかも?
このデザインの中に、雪害の中でも、
逞しく、雪に立ち向かう姿を想像してしまった。

それから間もなく、
25年以上使用したアリンコの前のブルちゃん、
使用不可能にまで壊れてしまった。
その時の家内の台詞がまたいい、
「じゃブル買わなきゃ」
あはは、家内は、
よほど雪害にはこりごりしてたみたい。
普通なら、こんな代物、
家内から反対されても不思議じゃないのに・・。
でも購入時にはおまけのドラマが・・・。
前のブルが壊れたのが12月、
すぐに購入の予約をしても、
このブルちゃんが来たのが、3月末、
また、その年が毎日50cmくらい積雪があった年・・。
まったく、ブルちゃんいない間が泣きたいくらいに大変だった。
しかし、あの時以来、
このブルちゃんに恐れをなしたか、
また温暖化のせいか、
我が愛車がフル活躍する場面が、
今だにやってこない・・。







2009年1月
好物

アリンコの好物は、色々あるけれど、
特に好きなのが豆腐。

まだ若い頃、
勤めていた先が男だけの全寮制で、
まったく食事も味気ない物だった。
ある日、先輩のお供で、
先輩の友達の家庭を訪問。
訪問先の家族が湯豆腐の鍋を囲んでいた、
鍋から立ち上る湯気を眺めながら、
長い間忘れていた、家庭と言うものが強烈に恋しくなった。
それ以来寒い季節で、ゆっくりした気分に浸りたいときは、
家内に湯豆腐をせがむ。

家内から、
「また湯豆腐?」
と言われるほど・・。

考えてみれば、
こんなに安価で豪勢なものもないと考える。
家庭の幸せの気分にも浸れて、
毎日食べても飽きることもなく、
ビールにもよし、日本酒にもよし、
突然の友人が来たときなどにも、
もてなしに恥ずかしくもなし・・。

ちなみに、アリンコの湯豆腐の特徴は、
生醤油のたれに刻みネギ少々、
それにニンニクをすりおろし、
ユズなどあればこれもよし、
あとは、豆腐といっしょに温める。










2008年12月
先生


以前、お盆に帰郷された家内の同級生の方が来店された時のこと。
店内に飾ってあったった蟻人形と戯れ言を見て、
癒されるという。
こんなつたない作品群を見て癒されたとは、
少々恐縮してしまった。
その方、奥さんを病気で亡くされてしまい、
生きる張り合いも無いと語ったそうだ。
まだ蟻人形の本も無い頃、
ホームページをプリントした物を、
店に置いてあったが、欲しいと言われたそうだ・・。
家内から事情を聞き、
あまりのお気の毒の状態に、
慰めの言葉など浮かばなかった。
しかし、望まれるままに、
新しくプリントアウトした物を差し上げた、
先生のつぶやきを添えて・・。
しばらくして、
家内に電話があり、
第二の人生を歩むべく決心したとのこと、
家内と心より喜んだ。
でも、その方、
奥さんを亡くされてからの日々、
悲しみを、お酒で紛らわしていたらしく、
それが元で、体調をくずされ、
東京のマンションで、
一人で亡くなっていたのが発見された。
飼い犬が、その側で鳴いていたという・・。








2008年11月
背中とペンと剣


ペンは剣よりも強、
そんな言葉があるけれど、
人の背中はそのペンよりも強、
そんな言葉が頭に浮かぶ。
ん、ん、ん?
でもそれって、時と場合と人によるなぁ〜。
背中強くするには、
日々一歩、一歩、
いや半歩、半歩、
いや這ってでも進むしかないのかぁ〜、
忍耐努力、辛抱我慢、
うふふ、辛いなぁ〜、
これって・・。

志のある方々、
頑張れ〜〜〜〜。






2008年10月
真剣

最近、昔見た映画のワンシーンを思い出す。
ある二人の剣客の勝負のシーンである。
一人は野に山に、一人で修行を続けてきた、
野人そのものの剣客。
当然、真剣での生き死にの戦いばかりをくぐり抜けてきた剣客、
正当な何流免許皆伝などという肩書きは無い。
もう一人は、
道場内はもとより、他に相手を出来る者がいない腕の持ち主、
しかも剣の技ではこんな野人みたいな者より、
技術が上だと思っている。
二人は、夕方から勝負に挑んだ。
しかしなぜか、
お互い隙が無くどちらも打ち込めない。
やがて日は落ち雨が降り始める。
野人の剣客が言い放った・・。

「お前は真剣の重さを知らない」

しかし言われた方の剣客は、
竹刀や木刀での修行は充分、
剣の重さなど気にもしていなかった。
やがて深夜になり、夜が明けた。
天才と言われた方の剣客が、剣の重さを感じ始めた。
勝負は野人が勝った。
そうなんだなぁ〜、
人生を語るには経過した時間の重さも考えなければ・・。
アリンコは最近思う、
年配の方々って、
真剣の重さを知ってるんだよなぁ〜、
経験があるんだよなぁ〜、
時間には重さがあるんだよなぁ〜。









2008年9月
念願の工房


ある日、家内が倉庫で何やらごそごそやり始めた。
きれい好きの家内のこと、
倉庫をかたづけてるのかな?
そのくらいにしか思っていなかった。
出かけて帰ってくると、家内が、
工房作ってやったと言う、
廊下に置いてあった道具類が消えていた。
直感で、
「あ〜〜〜ついに追い出された」
そう思った・・。
でも、何か作り始めると、
散らかるからしょうがないと諦め・・。
倉庫に行ってみると、
荷物と荷物の間に、作業台らしき物と、
椅子と、引き出しの付いた棚類が置いてあった。
「なんか寂しいなぁ〜」
フッと孤独感、えへへ、
ほんとは家内の顔の見えるところで、
作業したいのに、これ本音。
ところが、試しに模型の飛行機作り始めると、
これがなかなか使いやすい・・。
回転式の椅子で後ろ向いたり、横向いたり、
すぐに、道具類に手がとどく。
「おお〜〜いいじゃん」
家内は整理のの天才か?感謝感謝・・。
ただ、ある日、
倉庫の出入り口、
シャッター一枚隔てた外側から、
青大将という蛇が中をうかがっていた、
その時は無事にその場から退散願ったものの、
なんか不安な気持ち・・。
それから、数日して、
工房の椅子に腰掛けたら、
足下に青大将が・・・。
「もう、これだけは勘弁してよ、
作業状況、あんたに監視されたくないよー」







2008年8月
モード切替



アリンコにはやらなければならないことが沢山・・。
蟻人形作るにしても、
一日中やらせてもらえる訳じゃない。
その他、好きな趣味もあるし、
当然生業もある。
イラスト描く事なんてことも、
好きなんだなぁ(下手くそだけど)〜。
その中でも特に好きなのが模型、
これ作り始めるともう夢中、
子供のころから好きだった。
徹夜でもやれば時間が取れるんだけど、
次の日の生業考えると、
体力の配分考えてそれも出来ない、
生業に影響する・・。
そこで必要なのが、
頭の中のモード切替、
最初のころは、
これがなかなか出来なくて辛かった・・。
最近はちょっぴり進歩したみたい・・。
長年の修行の結果か、うふふ。
中でも一番難しいのが、
模型作りから、
他のモードに切り替えるとき、
これがなかなかのくせ者だ・・。
頑張れ〜〜アリンコ。




2008年7月
蟻人形への思い


蟻人形は、
手にとって見れば、
粗末な人形。
それもそのはず、
素材のほとんどが廃品、
いわゆるゴミ・・。
でも、置くべき所に置いたとき、
何か語り始めてくれないかなぁ〜、
いつもそう願って作っている。
それから、
アリンコの作る人形には、
目も口もない、
みんな不思議がる。
蟻人形に目や口などつけたら、
あまりにも漫画チック、
アリンコの好みってやつか・・。
出来上がった蟻人形が、
何も語らなかったら、
それはそれで、
まだまだ未熟、
まだまだ未熟。

取材に来られたリポーターの方に、
こんな話を聞いていただいた。



2008年6月
隙間

芸術とは?
辞書的には、
絵、彫刻、演劇などの総称とある。
またこんなことも書いてある、

”特別の材料、様式、技法
等により美を創り出す”

ん?ん?
そう言われると、
アリンコの作品ってなんだろう?
人によっては、心の内を表現すれば、
それって芸術だよって慰めてくれる人もいる。
でもね、芸術って言ってもらうには、
あまりにも照れくさい。
そうさ、隙間だよ隙間、
工作と芸術の隙間さ。
工作と芸術繋ぐパイプ役、
そんなのあってもいいんじゃない。
みんな思ってること表現してもいいんだよ、
手段はなんでもいいんだよ。



2008年5月
被害アリ


白アリは、建物の害虫・・?
それって、人間側から見た事情と言うもので、
白蟻からしてみたら、
ただ一生懸命生きてるだけ、
白蟻に欲望なんてあるわけじゃないし。
それに引き替え、
人間ってどうかな?
地球側からしてみたら、
「お前達の方がよっぽど害虫だよ」
なんて言われそう。
あ〜〜
そんなこと言われたくないけど、
僕らにも僕らの事情というものがございまして、
なるべく、そんなこと言われないように、
気を付けて生きますです、ハイ・・。